「生産性低下」の元凶はマルチタスク、今こそ「1つの作業に集中」する時間術を実践(Forbes JAPAN)

■端末での気晴らしの罠 現代においては、テクノロジーが気晴らしに大きな役割を果たしていることは周知の事実だ。あなたの注意を引きつけてスクロールさせ続けるようアプリは設計されており、チェック・応答・消費という無限のサイクルに引きずり込む。ひっきりなしに届く通知は、あなたの集中力を分断し、衝動的な行動を誘う切迫感を生み出す。スマホに目をやり、Eメールをチェックし、SNSをスクロールするたびに脳内でドーパミンが放出され、注意が散漫になるサイクルが強化される。 難しいのは誘惑に抗うことだけでない。デジタル環境が人間の心理を利用するよう意図的に作られていることを理解することもそうだ。このことを理解した上で、時間管理を極めるには意志の力以上のもの、つまり注意がそれる原因をブロックするのに役立つシステムとツールが求められる。 ■時間管理のコツ:1日の時間を区切りタスクを割り当てる「タイムブロッキング」 その強力なテクニックの1つが「タイムブロッキング」の活用だ。この時間管理術は、1日の時間を区切って特定のタスクやプロジェクトに割り当てるというものだ。割り当てられた時間の間、気が散る原因となるものは最小限に抑えられ、目の前のタスクだけが取り組むべきものとなる。Freedom(フリーダム)やFocusMe(フォーカスミー)といったアプリは、作業に集中している間、気が散るウェブサイトやアプリをブロックし、通知に注意がいかないようにするのに役立つ。 ■時間管理のコツ:25分の作業時間と短い休憩を繰り返す「ポモドーロ・テクニック」 もう1つは「ポモドーロ・テクニック」で、仕事を25分ごとに区切って、深く集中した後に短い休憩をとるというものだ。この方法は、限界を感じずに短時間集中できるよう脳を訓練し、休憩により精神的に回復する。やがてこのサイクルで集中力が高まり、現状維持を促す達成感を得ることができる。 ■忙しさに関する思い込み 現代の職場では、忙しさが生産性と混同されるという困った傾向がある。延々続く会議やEメール、マルチタスクは物事を成し遂げているような印象を与えるかもしれないが、忙しいことと有意義な進歩を遂げることは同義ではない。実際、常に忙しさを追い求めるとバーンアウトにつながることが多く、戦略的思考や創造的な躍進を生み出す余地はほぼない。 時間管理を極めるには、忙しさを美化するのをやめ、本当に重要なことに優先順位をつける必要がある。重要なのはインパクトの大きいタスク、つまり目標達成に大きく貢献するものに集中することだ。これは最も重要な仕事を特定し、Eメールや会議など受動的なタスクで身動きが取れなくなる前にそうした仕事に時間を割くことだ。 ■時間管理のコツ:タスクを4種類の優先度に分類する「アイゼンハワー・マトリクス」 「アイゼンハワー・マトリクス」はこれに使えるシンプルながら効果的なツールだ。「緊急かつ重要」「重要だが緊急ではない」「緊急だが重要ではない」「緊急でも重要でもない」という4つにタスクを分類する。最初の2つに分類されたタスクを優先することで、本当に重要なことに確実に時間を使うことができる。 ■時間管理のコツ:スケジュールに余裕を持たせる また、「スケジュールに余裕を持たせる」ことも欠かせない。多くの人がスケジュールを過密にする罠にはまり、反省や創造性、突発的な仕事のための時間が残らない。時間管理とは1日にできるだけ多くのことを詰め込むことではなく、集中を要する仕事をする時間や休憩、不測の事態に対応する柔軟性などを持つ現実的なスケジュールを立てることだ。

Forbes JAPAN
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