AI開発の新たなボトルネックは「ガスタービン不足」
AI開発においては、データを処理する「データセンター」の新設が急務となっています。ここで、新たに電力供給に必要な「ガスタービン」が不足していて、データセンターへの電力供給が滞る可能性が出てきました。
The Gas Turbine Shortage Just Became AI’s Biggest Constraint | OilPrice.com
https://oilprice.com/Energy/Energy-General/The-Gas-Turbine-Shortage-Just-Became-AIs-Biggest-Constraint.htmlGas Turbine Prices Are on Track to Nearly Triple. These Stocks Are Cashing In | The Motley Fool
https://www.fool.com/investing/2026/08/23/gas-turbine-prices-on-track-triple-stocks-gev/ AI開発においては、ストレージやメモリといった主要部品のほか、データセンターへ電力を供給する際のインフラがこれまでボトルネックになっていました。半導体業界は前例のない「ギガサイクル」に突入、AIの大規模な発展によりコンピューティング・メモリ・ネットワーク・ストレージの経済性が同時に高まる - GIGAZINE
AIの需要増加によりデータセンターの消費電力が爆増してAI開発のボトルネックになっている - GIGAZINE
新たに問題となっているのは、発電施設で使われるガスタービンの不足です。 一部のAI企業は電力を自給自足で賄うことで将来的なコストを低くしようと計画し、天然ガス発電施設を自社の敷地内に建設しようとしています。BloombergNEFの調査によると、天然ガス発電施設を建設済みあるいは建設中のデータセンターは100近くに上るとのこと。コンサルティング企業のPwCは、AI業界の天然ガス消費量が2035年までに5倍以上に増加すると予測しています。
ところが、こうした需要に天然ガス発電用のガスタービンの供給が追いつかず、価格が高騰しています。 発電設備を開発するGE Vernovaは、2026年7月22日の決算説明会で「大型ガスタービンを今日発注しても届くのは2031年になる」と発表し、すぐ手に入る状況ではないと説明。「それでも、2026年末までには2031年分の予約枠の半分超が契約済みになる見通しだ」と付け加え、業績が堅調なことをアピールしました。 他にも、Siemens Energyは「納期は3年以上」と説明し、三菱重工は「2026年3月~6月に受注した案件は2028年から2030年にかけて納入される予定であり、契約するプロジェクトを選別している」と述べるなど、ガスタービンの大手メーカーが需要に追われている状況が見えてきています。発電設備全体の価格は2023年から2025年で倍増しており、GE Vernovaは必要になるかどうかもわからないタービンの頭金で財務状況の一部を支えているとも報じられています。
電力需要について、ゴールドマン・サックスは「アメリカのデータセンターだけで2025年の31GWから2026年は41GWへ、2027年には66GWへ増加する」と分析。一方で供給側については「2025年には8.5GWの容量増を実現しており、2026年は13.6GW、2027年には36.3GWになる」と指摘し、順調に増加傾向にあるとしました。 ただ、GE Vernovaだけでもガスタービンの年間製造量は約20GW分に過ぎず、さらにデータセンター向けに割り当てられているのはその5分の1にすぎないことから、ゴールドマン・サックスの予測通りに物事が進むのか、疑問が生じています。
・関連記事 データセンターの需要でガス火力発電の需要が30%以上増加 - GIGAZINE
イーロン・マスクのAI企業「xAI」がデータセンターの拡大を計画中、高性能チップの数は100万台へ - GIGAZINE
OpenAIの大規模データセンターを作るべくNVIDIAがソフトバンク関連企業に2400億円を投資、2030年までに約96兆円のビジネスチャンスをもたらす計画 - GIGAZINE
データセンターブームの恩恵で人口8500人の町の貧困率が大幅低下、ただし電力需要増に伴う費用はデータセンターが負担 - GIGAZINE