自民党総裁選「独自」データ分析…どの「候補者」がどの「野党」と近い?100点満点で採点(2025年9月26日掲載)|日テレNEWS NNN
▼分析結果
この表から3つの特徴が読み取れる。■特徴❶政策的に自民党と近い【国民】【維新】…遠い【立憲】野党4党の中で自民党5人の候補と政策に共通点が多かったのは【国民民主党】と【日本維新の会】の2党。逆に対立点が多かったのが【立憲】だった。100点満点で野党各党と5人の共通点をスコア化すると。【国民】73.2点。【維新】72.6点。【立憲】39.2点【国民】【維新】が高いスコア、つまり距離が近く、【立憲】はスコアが低い、つまり遠い結果に。政策テーマ毎に分析をすると、【国民】【維新】と「外交・安保」「エネルギー」で共通点が多かった一方、【立憲】とは「外交・安保」「エネルギー」で対立点が多かった事がわかる。具体的な点数をみると【国民】と「外交・安保」は20点満点で14.8点。【維新】と「外交・安保」は15.6点と点数が高い一方、【立憲】と「外交・安保」は6.8点と低い点となり、差が出た。さらに【国民民主】と「エネルギー」は19.2点。「維新」とも19.0点と高い一方、「立憲」とは2.0点と低い点となり、差がでた。自民党と【国民】【維新】とは外交・安保、エネルギー政策で共通点が多く、【立憲】とは対立点が多いことが浮き彫りとなった。ある野党の党首は「基本政策で、自民党と近いのが国民、維新。自民、国民、維新グループと、立憲のグループで分かれている感じはある。エネルギーをめぐる原発政策での立ち位置の違いが大きい」と説明している。■特徴❷【国民民主党】と最も政策が近い候補は、小林鷹之氏国民民主党と共通点が最も多かったのは小林鷹之候補で100点満点で81点だった。小林氏は特に「経済・財政」政策で5人の中で最も高いスコア、20点満点で16点。小林氏が掲げる現役世代・若者向けに「使えるお金を増やす」とした所得税の「定率減税」と、国民民主党が掲げる「給料があがる経済」に向けた「所得税・住民税減税」などが共通していた事が影響したとみられる。また、「エネルギー」政策では満点の20点となった。原子力発電所の再稼働や新増設など積極的な姿勢が共通点となった。■特徴❸【日本維新の会】と最も政策が近い候補は 高市早苗氏日本維新の会と共通点が最も多かったのは高市早苗氏で100点満点中で77点だった。なぜ?高市氏が維新との共通点が高くなったのか。AI分析では維新の目玉政策である議員定数の削減や、企業・団体献金禁止について高市氏は掲げていない一方で、維新のもう1つの目玉政策『副首都構想』について、高市氏が「首都機能のバックアップ体制を掲げている事が、方向性が酷似している」としている。■【立憲】【参政党】との共通点が多かった候補者は?特徴3点以外に「立憲」「参政党」との共通点で興味深い結果が出ている。まず、「立憲」は5人の候補のなかで一番共通点が多く、点数が高かったのは小泉進次郎氏だった。ただ、【経済・財政】に限ってみると、高市氏が15点と最も高いスコアだった。これは立憲が参院選で掲げた看板政策の1つであった所得税の減税と現金給付を組み合わせた「給付付き税額控除」を、高市氏が総裁選での目玉政策に掲げた事が影響していると言える。もう1つ「参政党」との共通点では、5人中3人の候補者が50点以下と「対立点」が目立つ中、高市氏は77点と「共通点が多い」結果になった。特に「外交・安保」は満点の20点で「スパイ防止法」の制定などを公約に掲げるなどした、いわゆる保守的なスタンスで共通点が浮き彫りになった。■野党各党幹部がどうみた?今回の結果を野党の幹部はどうみたのか?▼立憲民主党幹部「5人の候補の中で、最も考え方が近いのは林芳正氏だと思う。特に外交・安保の考え方が近く、もう少しスコアが高くてもよいと感じる。」「高市氏が『経済・財政』で立憲と近いスコアなのは、給付付き税額控除を打ち出したからだろうが、全体で見ると立憲の考えとは近いとは思わない」▼国民民主党幹部「小林氏の政策を聞いていると、国民民主党に寄せてきていると感じる。逆に、小泉氏は政策が近かった部分があるが、総裁選でエッジが効いた政策を取り下げたことで、共通点が減ったと感じる」「高市氏は今回のスコアより、もっと国民民主にスタンスは近いようにも感じる」▼日本維新の会幹部「立憲と比べて、自民党に近いスコアがでるのは基本政策が近いので納得感はある。ただ、国民民主の方が、スコアが高いのは少し意外な面もある」「5人の外交・安保のスコアが少し高く感じる。特に、憲法、外国人政策についての考え方は自民党と違いがあると思う」■政策の「共通点」「対立点」と、与野党連携の現実今回のデータ分析で、総裁選に立候補したどの候補者と野党のどの政党が「政策的」に近いかが浮き彫りになった。ただ、実際にその政党と連立政権を組むか政策毎に連携を深めるかは別の要素も加わる。それは政策以外の議員と議員の繋がりなどだ。例えば、小泉氏は維新の吉村代表と個人的な関係が深いほか、後ろ盾となる菅副総裁は維新の遠藤国対委員長と太いパイプがあるなど「チーム小泉」と「維新」は近い距離と言える。また、茂木前幹事長は岸田政権時代に国民民主党と連立拡大にむけた水面下の協議を行った経験がある。また、自身が幹事長時代に当時は幹事長だった日本維新の会の藤田共同代表とカウンターパートとして協議をした経験がある。
今回のデータ分析で5候補者と、野党との「政策」の近さは浮き彫りになった。新総裁・首相の誕生後に野党と連立・連携が深まるかどうかは、「議員同士の関係」も大きな要素となりそうだ。