トランプ大統領、米政府閉鎖のリスクを一蹴－共和・民主の対立続く

トランプ米大統領は26日、約7年ぶりとなる政府機関閉鎖の脅威を一蹴した上で、混乱が生じても責任は民主党にあると述べた。

　　トランプ氏はホワイトハウスのサウスローンで記者団に「民主党はクレイジーだ。政府を閉鎖しなければならないなら、閉鎖されるしかない」と発言。「だが、閉鎖するのは彼ら（民主党）だ」と話した。

　　政府の資金は4日後に枯渇する見通しだ。トランプ氏のこうした発言は、閉鎖を巡る攻防で共和党指導部が優位に立っているとの自信を反映している。

　　米議会で多数議席を占める共和党は、民主党が優先する医療関連課題を必須の予算案に盛り込むことを拒んでいる。共和党の議会指導部は、必要最小限の民主党議員に妥協の余地を示す方法を模索しているという。

　　上院共和党トップのスーン院内総務はAP通信とのインタビューで、民主党が要求を「引き下げる」必要があると指摘。民主党の要求には、数百万人の国民を対象とする医療補助金の延長や、トランプ大統領の減税財源確保のために共和党が今年実施したメディケイド（低所得者向け公的医療保険）削減の撤回などが含まれる。

　　スーン氏は、民主党が10月1日以降の政府機能維持を可能にする7週間の共和党案への反対を取り下げれば、オバマケア医療保険制度の補助金一部延長や他の予算課題に関する交渉で将来合意する可能性を示唆した。

　　「私は常に解決策があると信じている」とスーン氏はAPに発言。「ここにも解決策の道筋はあると思うが、少なくとも現時点で民主党が主張している交渉姿勢では到達できないだろう」と語った。

　　スーン氏とジョンソン下院議長はこれまで、民主党のシューマー上院院内総務とジェフリーズ下院院内総務からの超党派協議の呼びかけを退けてきた。

　　トランプ氏もシューマー、ジェフリーズ両氏と予定していた会談を取りやめ、政府資金が枯渇した場合は大規模かつ恒久的な連邦職員の解雇に動く構えを見せた。

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　　上院民主党指導部の一員であるクロブシャー議員はスーン氏のコメントに対し、民主党は政府閉鎖を回避するために、共和党に提示した要求について交渉に応じる用意があると述べた。

　　クロブシャー氏は記者団との電話会見で「われわれは全ての要求が絶対条件だとは言っていない。全てが譲れない一線だとも言っていない。この医療危機を少しでも和らげるため、彼らと交渉したい」と語った。

　　シューマー氏は「ドナルド・トランプは米国の医療費を高騰させている。彼はそのために政府を閉鎖しようとしている。そして新たな関税によって処方薬の価格をさらに押し上げようとしている」と25日夜にX（旧ツイッター）に投稿した。

緊急計画

　　実際に政府機関が閉鎖となった場合、米労働省が今年示した運営上の緊急計画に従えば、10月3日に予定されている9月雇用統計の発表は延期される見通しだ。

　　政府閉鎖の影響範囲は依然として不透明だ。月次の雇用統計をまとめる労働統計局（BLS）など大半の政府機関は、会計年度末の9月30日までに議会が歳出法案を可決できなかった場合に備えた最新の緊急計画をまだ公表していない。

　　ただし、今年3月に更新された労働省の計画では、全てのデータ収集と公表予定が停止されると明記されている。ブルームバーグ・ニュースは情報公開法に基づき、3月の同緊急計画を入手した。BLSを含む労働省は、この計画が更新されるかどうかについての質問に回答していない。

原題：Trump Shrugs Off Impending Shutdown as Parties Deadlocked (1)、BLS Would Delay Next US Jobs Report Based on Prior Shutdown Plan（抜粋）

— 取材協力 Kate Sullivan