中国輸入品への関税障壁の強化を、欧州産業の保護に必要-仏財務相
- ロンバール氏、鉄鋼や自動車以外でも対抗措置を導入すべき
- トランプ氏の関税政策、複数の面で欧州に打撃及ぼすとの懸念強まる
フランスのロンバール経済・財務相は5日、中国からの輸入品が欧州の産業に打撃を与える恐れがあるとして、関税障壁を強化すべきだと述べた。
欧州はすでに鉄鋼や自動車分野で中国輸入品に対する措置を講じているとしながらも、対抗措置をより広範に適用できるよう、規則の見直しが必要だと語った。
「現在の世界情勢において、われわれは自国の産業を保護しなければならない」と、仏南部エクサンプロバンスで開催された経済会議でロンバール氏は発言。「あらゆる産業分野で保護措置を実施しなければ、各セクターで世界市場のシェア50%超を占める生産能力を持つという中国の政策によって、我々の産業は壊滅的な打撃を受けることになる」と話した。
同氏の発言は、トランプ米大統領が進める世界貿易の再構築によって、単に米国向け輸出品への関税リスクにとどまらず、欧州にとって複数の側面で打撃を受けかねないとの懸念がフランス国内で高まっていることを浮き彫りにしている。
足元ではEUと中国の間で緊張が高まっている。中国商務省は4日、欧州産ブランデーに反ダンピング関税を課すと発表。ただ、最低価格を設定することに同意した大手コニャックメーカーは対象から除外された。この措置はEUが中国製電気自動車(EV)に最大45%の関税賦課を決めたことへの対抗とみられる。
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また、中国政府は今月予定されているEUとの首脳会議を一部中止し、2日間の日程を1日に短縮する意向だ、とブルームバーグはこれまでに報じた。
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原題:France Urges Tariff Barriers to Stop China From Killing Industry(抜粋)