広陵野球部内暴力問題で加害生徒が告訴 1月からの事案の経過

広陵高校(25年8月6日撮影)

高校野球の強豪、広島の広陵硬式野球部で上級生による下級生への部内暴力が発覚した問題で、加害生徒の1人が、交流サイト(SNS)上の書き込みにより名誉を傷つけられたとして、投稿を行った被害生徒の親権者とみられる者を含む複数の人物を、名誉毀損(きそん)罪で東京地検に告訴することが9日、分かった。

この問題を巡って、同校は今年8月に出場中だった全国高校野球選手権を途中で辞退。現在、捜査機関や学校側で調査が続けられている。

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◆広陵高校の暴力事案経過

▼1月22日 寮で部員間で暴力を伴う不適切な行動が発生。同校は「上級生4人が1年生1人を個別にたたく、胸ぐらをつかむなどした」といった内容を報告

▼3月5日 報告を受けた日本高野連は審議委員会を開き、野球部には「厳重注意」処分、当該部員には「1カ月間の公式戦出場禁止」が下された。被害生徒は3月末で転校した

▼大会直前 被害を受けた生徒の保護者とされるSNSの投稿が注目される。ひどい暴力を受け、指導者や学校の対応も不十分で転校に至ったという内容

▼8月5日 甲子園大会本部は同校が既に厳重注意されたことを公表

▼同6日 同校が謝罪文を出し、大会本部は「全国高校野球選手権大会出場の判断に変更はない」と発表

▼同7日 旭川志峯との1回戦に3-1で勝利

▼同8日 同校がHPで現状報告を行い、別の被害を訴える生徒の保護者からの要望に応じて6月に第三者委員会を設置して「調査中」と発表

▼同10日 同校が大会辞退

▼同17日まで 同校HPで、SNS上での根拠を欠く同校関係者に対する名誉毀損(きそん)などについて「決して容認できず、法的措置を含めて対処いたします」と声明を発表

▼同19日 広島県高野連が公式サイトで選手やスタッフ、大会関係者への誹謗(ひぼう)中傷や差別的な言動に対して、「法的措置を含めて毅然(きぜん)とした対応をとってまいります」と警告

▼同20日 同校が1、2年生の現役部員へアンケートを実施

▼同21日 同校HPで新体制を発表。中井哲之監督と息子の惇一部長の退任、新監督に副部長の松本健吾氏、新部長にバスケットボール部の顧問だった滝口貴夫氏が就任

▼同27日 同校が新たな第三者委員会の設置を決めたことが判明

▼同30日 秋季広島県大会北部地区予選で、新体制での公式戦初戦。油木に23-0で5回コールド勝ち

▼9月4日 日本学生野球協会の審査室会議で、別事案での不適切指導(部内)と報告義務違反によりコーチが8月21日から11月20日までの3カ月の謹慎処分に

【独自】広陵部内暴力問題 加害生徒が名誉毀損で告訴 被害生徒の親権者とみられる者含む複数人

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