火星スイングバイに向けて飛行中のNASA小惑星探査機「Psyche」が地球と月を観測(sorae 宇宙へのポータルサイト)

2023年10月にアメリカ企業SpaceXの「Falcon Heavy(ファルコンヘビー)」ロケットで打ち上げられたPsyche探査機は、2029年にPsycheに到着し、26か月間にわたる周回探査を実施します。 2025年4月にはイオンエンジンにキセノンガスを供給する配管で圧力が低下する問題が生じたものの、予備の系統への切り替えに成功し、2025年6月からイオンエンジンの稼働を本格的に再開。2026年5月には火星スイングバイ(太陽を公転する惑星などの重力を利用して軌道を変更する方法)を行ってPsycheに向かう予定です。 最大幅280kmのPsycheは鉄やニッケルといった金属を豊富に含む「M型小惑星」に分類されていて、その正体は初期の太陽系で形成された原始惑星のコア(核)ではないかと予想されてきました。過去に探査機が接近して観測した小惑星や彗星は主に岩石や氷でできていたため、NASAのPsycheは金属質の小惑星を初めて間近で観測するミッションになります。 地球のコアを直接調べることはできませんが、原始惑星のコアだった可能性がある小惑星Psycheの観測を通じて、地球のような惑星の形成についての貴重な情報が得られると期待されています。 参考文献・出典 NASA - NASA’s Psyche Captures Images of Earth, Moon

sorae編集部

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