【2025年7月5日に隕石が地球に衝突説】は本当?SNSの憶測をNASA観測情報から信憑性解説(スペースチャンネル)

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地球に衝突する小惑星のイメージ 出典:スペースチャンネル

最近SNS上で「2025年7月5日に大災害が起こる」という説が広がっています。中には、小惑星が地球に衝突するという憶測もあり、真偽に関する疑問を呼んでいます。本記事では、実際に小惑星衝突が起こり得るのかどうか、信憑性について解説していきます。

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噂の発端はどこか?

この噂は、ソーシャルメディアや不確実なブログ記事から発生したとされています。特に「2025年7月5日に小惑星が地球に衝突し、大規模な消滅の危機をもたらす」とした書き込みが注目を集めました。

この噂は、たつき諒さんの漫画「私が見た未来 完全版」に描かれた「2025年7月に大災難が起きる」という記述が元になっていると考えられます。同氏の漫画では、2011年3月の東日本大震災を的中させたとも言われているのです。しかし、それが隕石落下か巨大地震なのかなどについての詳細な情報は明かされていません。

研究者の評価

小惑星のイメージ 出典:スペースチャンネル

地球の周りには、多くの小惑星が通過しており、その中には潜在的に危険とされるものも含まれています。これらの小惑星は、NASAや他の国際的な宇宙機関によって注意深く監視されています。例えば、2029年には小惑星「アポフィス」が地球に接近することが判明しています。

アポフィスは直径340mの小惑星で、東京タワーに相当する高さです。地球との衝突確率は100万分の1以下と言われており、地球から約3万kmの距離を通過すると考えれられています。これは、月までの距離の10分の1であり、地球と月の間を通るほどの近さです。最接近時には肉眼で確認することもでき、天体望遠鏡で表面の様子が観測できると言われています。

それでは、2025年7月にこのような小惑星が地球に接近しているのでしょうか。NASAによると、2025年内で地球に対して衝突の危険性が高い、アポフィスのような小惑星の存在可能性は十分低いことが分かっています。そのため、「2025年に大型の小惑星が地球に衝突する」という噂は、小惑星の観測データからも現時点では概ね否定できると考えられています。

しかし、数メートルサイズの小型の小惑星は地球へ頻繁に落下していることも事実です。このような小惑星は観測が非常に難しいため、2025年内に一切の衝突が発生せず、地球上で被害が出ないとは言い切れないことにも注意が必要です。

小惑星のリスクとその影響

地球に衝突する小惑星のイメージ 出典:スペースチャンネル

仮に小惑星が地球に衝突した場合、その影響は天体のサイズや速度、衝突地点によって大きく異なります。たとえば、直径10メートル程度の小惑星であれば大気圏で燃え尽きる可能性が高い一方で、100メートル以上の小惑星が衝突すれば地域的な壊滅的被害を引き起こす可能性があります。

例えば、2013年にはロシアのチェリャビンスク州には予期していない隕石が落下しました。落下時に発生した衝撃波による自然災害で、史上初めて大規模な人的被害をもたらした災害となったのです。後の調査により、隕石全体の直径は数m~15m、質量は10トン、落下速度は秒速15kmであったと見られています。更に、その隕石は120万年前に地球に接近した際に分裂した小惑星のかけらであったと推定されています。

このような観測できていない小惑星による衝突可能性がゼロであると言い切ることはできませんが、2025年7月に大災害が発生するという噂が広まると、不安を感じる人も少なくありません。しかし、情報の正確性を確認し、信頼できる機関からの公式発表に基づいて、過敏に反応せず行動することが大切です。皆さんはこのような噂についてどのようにお考えになりますか?是非コメントお待ちしています。

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