「トランプはクマをつついた。我々は反撃する」カリフォルニア州知事、共和党有利のテキサス州選挙区割への対抗策を発表(ハフポスト日本版)
テキサス州では、共和党の議員が2026年の中間選挙を前に選挙区割りを再編し、連邦議会で共和党の議席を5つ増やそうとしている。 ニューサム氏が発表した改正案「不正選挙対策法(Election Rigging Response Act)」はこの動きに対抗するものだ。 カリフォルニアでは、選挙区の区割りは独立組織「選挙区改定市民委員会」が管理している。 しかし改正案が可決されれば、テキサス州で民主党の議席を5つ減らすような選挙区割りが実施された場合は選挙区割の権限を一時的に選挙区改定市民委員会から州議会に戻し、議会が選挙区の再編を担えるようにする。 ニューサム氏はこの計画で、カリフォルニア州内の共和党議員5人を減らし、民主党議員を増やすとしている。
ニューサム氏は14日にロサンゼルスで行われたイベントで「今日はカリフォルニア州の解放の日だ」と述べた。 またカリフォルニア州のシンボルの一つであるクマに触れて「ドナルド・トランプ、あなたはクマをつついた。我々は反撃する」と強調。 「私たちは一方的に武装解除して、アメリカ中の選挙区ごとに民主主義が消えていくのを見過ごすわけにはいかない」と区割り再編の必要性を語った。 この日、ニューサム氏の記者会見場の近くで、連邦移民局捜査官が移民取り締まりを実施した。 ニューサム氏は「これは偶然だと思いますか?」と問いかけ「アメリカよ、目を覚ましてください。これは重大な局面です。恐怖と不安に対して目を覚まさなければならない」と訴えた。
しかし、この計画が住民投票で可決されるのは容易ではなさそうだ。 不正選挙対策法の可決には、州の住民投票で過半数の賛成票が必要となる。 ポリティコが14日に発表した世論調査によると、選挙区割りの権限を州議会に戻すのを支持すると答えたのはわずか36%で、大半が選挙区改定市民委員会が権限を維持することを望んだ。 しかし、その選挙区改定市民委員会の委員も、テキサス州などで、共和党がゲリマンダー(特定の政党や候補者に有利な選挙区の区割り)をして民主党の議席を排除しようとする動きを「民主主義への重大な脅威」だとして、ニューサム氏の計画を支持するよう有権者に訴えている。 同委員会のサラ・サドワニ委員は14日のニューサム氏のイベントで「私は謙虚な気持ちでここに立ち、カリフォルニア州がこれまで続けてきた優れた取り組みを、一時的に脇に置くことを決めました。しかし、それはあくまで今回限りのことであり、カリフォルニア州民の意思を損なうものではありません」と述べた。 一方、共和党は住民投票を「2028年の大統領選に立候補しようとするニューサム氏の野心を後押しするための行為だ」と非難している。 全米共和党選挙運動委員会のクリスチャン・マルティネス報道官は「ニューサムは、カリフォルニア州憲法を切り刻み、民主主義を踏みにじるであろうということをはっきり示した――カリフォルニア州民を二の次にし、権力だけを最優先する、皮肉で自分勝手な戦略を実行しているのだ」と声明で述べた。 一方、テキサス州共和党の選挙区割り案に抗議して州を離れていたテキサス州の民主党議員団は14日、州議会が15日に閉会すれば、戻る準備ができていると発表した。 テキサス州下院の民主党議員団代表ジーン・ウー氏は「トランプは、従順な共和党員を抱えるテキサスを、簡単に思い通りにできると思っていました。しかし民主党は猛然と反撃し、アメリカ全土でトランプとの戦いを繰り広げています」と声明で述べた。 「州議会が無期限の休会となり、カリフォルニア州で新しい区割り案が発表されれば、私たちは『投票権を守る戦いはまだ始まったばかりだ』という明確なメッセージを携えて再び議場と法廷に戻ります」 ハフポストUS版の記事を翻訳しました。