Steamゲームのサントラやサポーターパックの販売は“やり得”とのアナリスト見解、コストほぼゼロなので。実はValveもおすすめしてる

ゲーム市場コンサルタントのChris Zukowski氏は、SteamにおけるDLC販売について知見を共有した。同氏によると、サウンドトラックやサポーターパックといった小型DLCはほぼ確実に利益を生むため、積極的に販売した方がよいという。海外メディアGamesRadar+が伝えている。

Zukowski氏はインディーゲームを中心に扱うゲーム市場アナリストだ。ブログ「How To Market A Game」を運営しており、Steamにおけるゲームマーケティングについて独自の分析結果などをシェアしている。またゲーム開発者向けの大型イベントであるGDC(Game Developers Conference)では毎年登壇していて、知見をたびたび共有している。

2026年3月に開催された「GDC Festival of Gaming」でおこなわれたパネルディスカッションにて、Zukowski氏は“ゲーム本体の発売と同時にリリースされるDLC”について見解を披露。まずZukowski氏は、「大きめのDLCをゲームのローンチと同時に販売するのはオススメしない」という。発売初日にそうした重要なDLCを販売すると、ユーザーはゲーム本体に組み込めたものが分割されているように感じ、反発を招きがちだという。

一方でサウンドトラックや、ちょっと見た目を変えるだけでゲームプレイに実質的に影響を与えないサポーターパックなどの小型DLCは、ローンチ初日から販売するべきだという。こうしたコンテンツはゲームを本当に気に入った人が払うチップのようなもので、反発を招く懸念はほとんどないとのこと。さらに制作コストが低いためリスクが低く、堅実に追加収入が見込めるそうだ。

またZukowski氏は自身のブログで、SteamにおけるDLC販売について独自に調査した結果を公開。同氏が計14399タイトルのゲームについてデータを収集したところ、総収益1万ドル以下の小型タイトルでは約94%のゲームでDLCが一つもなし。総収益100万ドル以上のヒット作でも、およそ3分の1の作品はなにもDLCを配信していなかったとのこと。Zukowski氏はこれを少なすぎると考えているようで、ゲーム開発者たちにDLCの販売を勧めている。

Zukowski氏は「ファンは開発者にお金を払いたがっている」と語っており、たとえ大型拡張DLCを作る余裕がなくても、サウンドトラックやサポーターパックといった小型DLCは積極的に販売するべきと強調している。またゲーム開発者におこなったアンケート結果を基に、「本体のローンチと同時に小型DLCを用意しておき、まとめて買えるバンドルを用意することで購入率を伸ばせる」といった知見も共有している。

ちなみにサウンドトラックの販売およびバンドルの作成は、Steamを運営するValveも開発者に推奨している戦略だ。Valveがゲーム開発者向けに公開しているSteamworksドキュメントによると、サウンドトラックは最小限の作業で作れるため、仮に興味をもつ顧客の数がごく少数だったとしても、作成することをお勧めしているとのこと。一方同ドキュメントでは、「通常のDLCをゲームのリリース初日にリリースするのは、製品版から一部を切り取った印象を与える可能性があるため、よい案ではないかもしれない」としている。ValveからもZukowski氏の見解と同様のアドバイスが送られているかたちと言えるだろう。

大型DLCは開発にコストもかかり、人気作であっても制作にはリスクもあるだろう。一方、開発者への支援という位置付けを押し出した、サポーターパックやサウンドトラックのリリースはほぼリスクがなく、確実に利益向上を見込めるということのようだ。

ところでZukowski氏はDLCが5つ以上ある作品についてもデータを披露し、「Steamのレビュー評価にわずかながら負の相関が見られる」とした。「それほど大きな影響ではなく、また相関は因果関係を意味しない」と同氏は慎重に語っているものの、あまりにDLCが多いと個々が小型であっても、レビュー評価の低下を招きうる可能性が示唆されている。全体の数はほどほどにしつつも、ファンが支援しやすいよう適度になんらかのアイテムの販売をおこなうのがよいのかもしれない。

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