米ミネソタ州での集中的な移民取り締まりを終了とトランプ政権の担当者
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ドナルド・トランプ米政権の移民取り締まりを統括するトム・ホーマン氏は12日、ミネソタ州に要員を増やし集中的に行っていた摘発作戦を終了すると、記者会見で述べた。
ホーマン氏は、作戦終了の要請をトランプ氏が承認したと述べた。「(作戦の)成功を確実なものにするため、もう少し」自分はミネソタ州に残り、縮小作業を監督すると付け加えた。
「メトロ・サージ作戦」と呼ばれた要員増派を伴う移民摘発強化により、暴力犯罪を犯した多数の不法移民を拘束したとホーマン氏は述べ、そうした不法移民は国外退去させると話した。
一方、この作戦中には、アメリカ国民のルネー・グッド氏とアレックス・プレティ氏が連邦職員に殺害され、全国的な拡大に発展した。
ホーマン氏は12日の記者会見で、ミネソタ州の当局が移民取り締まりの「対象数を大幅に減らす」ことができたと述べ、メトロ・サージ作戦は「大成功」だったと述べた。
ホーマン氏によると、無登録の移民4000人以上が拘束された。その中には、レイプやその他の性的不法行為で有罪判決を受けたことのある男性も含まれていたと、ホーマン氏は述べた。
さらに、移民税関捜査局(ICE)はこれまでもミネソタ州に常駐していたし、今後も州内に残ると話した。
連邦捜査官と地元警察の間で前例のないレベルの協力があったと、ホーマン氏は評価。一方、取り締まり活動に抗議する住民の行動は公共の安全を脅かすとし、これに対する摘発を地元当局が強化したことを歓迎した。さらに、ICEが捜索する特定個人について、現地の刑務所が前より積極的に情報を提供するようになったとも評した。
ミネソタ州のティム・ウォルズ知事は、ホーマン氏の発表後の記者会見で、連邦捜査官の縮小について「慎重に楽観的」だと述べた。
「彼らは私たちに深い傷を与え、何世代にもわたるトラウマを残した。これは事実だ」とウォルズ知事は述べた。「(連邦当局は)一部に、壊滅的な経済的打撃をもたらした。答えのない疑問も山積している」
知事は、連邦当局の取り締まり強化で経済的的打撃を受けたという小規模事業者向けに、1000万ドル(約15億3500万円)の緊急基金を提案する見通し。
看護師のプレティ氏が1月24日に連邦当局によって射殺された後、トランプ大統領はホーマン氏をミネアポリスに派遣し、取り締まり作戦の監督にあたらせた。
それまでは、ICEによる実力行使に対する批判や、市民の公民権が侵害されているという批判が高まっていた。このため政権は、作戦指揮官だった米国境警備隊のグレゴリー・ボヴィーノ司令官は、現場から引き揚げさせた。
ミネアポリスをはじめ地元政府を野党・民主党が主導する都市では、市民や地元当局がトランプ政権の移民取り締まりに抵抗してきた。摘発の対象になった移民たちも、裁判所で争っている。
米北方軍によると、トランプ政権は1月、ポートランド、ロサンゼルス、シカゴの各都市に展開していた州兵を撤収させた。こうした都市では、州兵や移民当局が展開していることに対して、大規模な抗議が起きていた。
与党・共和党内からも、ミネアポリスでの作戦を疑問視する声が出ていた。
ホーマン氏の記者会見後、ミネソタ州と国土安全保障省(DHS)の高官たちが同日、政権の移民取り締まりをめぐり、連邦議会上院の国土安全保障委員会の公聴会に出席した。
委員会では共和党のランド・ポール上院議員(ケンタッキー州)が、「街頭での(連邦当局の)存在を減らすのは良い兆候で、前進だ」と述べた。
「それが実現するのは、うれしいことだ」、「これは緊張緩和だと思う」とも、ランド議員は話した。
ICEのトッド・ライオンズ長官代行はこの公聴会で、ICEは国外退去命令を受けながらアメリカ国内に残る約160万人を追跡しており、そのうち約80万人は犯罪歴があると述べた。
委員会の議員たちが、ICE職員の問題行動について責任の追及がないと批判すると、レライオンズ氏は、過度な実力行使について2025年1月以来、37件の調査を開始したと述べた。
移民当局の活動をめぐる対立を機に、DHSの予算措置をめぐり与野党の対立が激化している。このため、連邦政府のつなぎ予算が成立せず、またしても部分的な閉鎖に追い込まれる恐れが生じている。ICEは、DHSの下部組織。
上院では12日、DHSの追加予算案が採決に進まなかった。上院は今月初め、DHSの2週間分の予算を承認。2週間の間にに包括的な合意を目指す計画だった。
しかし合意が見えず、上院は休会に入る予定のため、DHSは14日から予算がなくなる可能性がある。このことは、アメリカ国内の空港での保安活動や、災害・大規模緊急時の対応など、多くのサービスに影響する。連邦議会は昨年、ICEが運営継続できるよう別枠の資金を設ける法案を可決した。
民主党は、予算案支持の交換条件として、職員による覆面着用の禁止などICEの改革を要求している。また、ミネソタ州や他の地域で、移民当局職員が身元を明らかにするよう要求。令状なしの家宅捜索を中止するよう求めている。