マダニが媒介の感染症「SFTS」致死率は最大で30%に及ぶ 夏にかけ患者増…重症化・死亡リスクが高い人の特徴は?
マダニなどが媒介する感染症SFTS。 いま全国でこれに感染し死亡する事例が増えています。 【写真を見る】マダニが媒介の感染症「SFTS」致死率は最大で30%に及ぶ 夏にかけ患者増…重症化・死亡リスクが高い人の特徴は? 肌の露出が増えるこの時期、注意すべき点を専門の医師に聞きました。 鳥取県立中央病院 感染症・総合内科 椋田権吾 医長 「発熱や関節痛、食欲が出ない。吐き気とか下痢のような胃腸症状が出ることが典型的です。患者さんによっては意識障害と言いまして、ぼんやりしたりですとか、普段お話にされないような普段通りでない言動が見られたりとか」 ウイルスを保有するマダニにかまれることで発症する「SFTS」=「重症熱性血小板減少症候群」は、マダニの活動が活発になる春から夏にかけ患者数が増えるとされます。 椋田医師によると、マダニのSFTSウイルスの保有率はそれほど高くないとのこと。 しかし、恐ろしいのはSFTSを発症した時の致死率、最大で30%に及ぶとされ、6月、愛知県豊田市では50代の女性と90代の男性が、静岡市では60代の女性が死亡しています。 そして、死亡にあたっては統計上ある特徴があると言います。 鳥取県立中央病院 感染症・総合内科 椋田権吾 医長 「年齢が大きい方の方が重症化もしくは死亡のリスクが高いと言われています。いくつかの要素があるとは思いますが、免疫力が影響しているかもしれませんし、元々お持ちの持病が影響しているかもしれません」 マダニは山林や草むら、畑、あぜ道などに生息しているとされ、まずはかまれないことが第一。 こうした場所に立ち入る時は、長袖や長ズボン、帽子、首にはタオルを巻くなど 肌の露出を少なくすることが大切です。 また、帰宅後は、 ・上着や作業着は家の中に持ち込まない ・シャワーや入浴でダニがついていないかチェック そして、見つけたらガムテープを使って服についたダニを取り除く方法なども効果的です。 鳥取県立中央病院 感染症・総合内科 椋田権吾 医長 「血を吸って膨らんだダニは見えます。思い切り膨らんだダニですと5ミリ強くらい。無理に引っ張ると刺さったものの一部がそのまま残ってしまうことがあると言われていますので、その場合には医療機関を受診していただいて」
そして、連日続く暑さ、この時期、さらに注意したいのが… (インタ)鳥取県立中央病院 感染症・総合内科 椋田権吾 医長 「(熱中症と)症状が似てる部分はあるかもしれないですね、熱中症の方も体温がこもって上がりますし、SFTSのような熱がでる感染症でも体温は上がります。区別が難しかったり、場合によっては合併したりという可能性はあるかと思いますので」 SFTSは感染したペットから人にうつることもあり、さらに潜伏期間が1週間から2週間と長いため、椋田医師は、異変があればすぐに医療機関を受診し、その際、生活環境や行動履歴などなるべく細かな情報を伝えることが重要だとしています。
山陰放送