【人類2400人を乗せた片道切符の恒星間移民計画】お隣のアルファ・ケンタウリへの移民船「クリサリス」(スペースチャンネル)
人類が他の星系へ旅立つ日は来るのでしょうか。今回、宇宙移民船「クリサリス」のアイデアは「プロジェクト・ハイペリオン」デザインコンペで優勝し、5,000ドルの賞金を獲得しました。本記事では、最大2,400人を乗せて地球から最も近い恒星系アルファ・ケンタウリへ向かう設計の宇宙移民船について解説していきます。
400年かけて到達する恒星間航行
プロキシマ・ケンタウリbの想像図 出典:ESO/M. Kornmesserアルファ・ケンタウリまでの距離はおよそ40兆キロ。クリサリスは約400年をかけて到達する見込みで、その間に乗船する人々は数世代にわたって船内で暮らすことになります。最終的には、ハビタブルゾーン内にある地球サイズの惑星「プロキシマ・ケンタウリb」への移住を目指しています。
クリサリスはロシアのマトリョーシカ人形のような多層構造を採用。その全長は約58キロメートルに及び、図書館や熱帯雨林、工場などを備えた“空飛ぶ都市”です。中心部には通信装置や惑星着陸用のシャトルが収められ、その周囲を取り囲む形で食料生産区画、森林や農場、住宅、医療・教育施設、そして産業区画が配置されています。最外殻は資源や機材を保管する倉庫として利用され、ロボットが管理する想定です。
また、船全体は回転による人工重力で内部環境を維持し、エネルギー源には核融合炉を想定しています。
生活と社会システム
クリサリスのイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)乗員数は最大2,400人に設定されていますが、持続可能性を考慮し最適人口は1,500人と試算。出生は計画的に管理され、教育・医療・娯楽などを通じて心理的安定が保たれるよう工夫されます。さらに、ガバナンスにはAIが関与し、世代間の知識継承や社会の安定に寄与する仕組みが提案されています。
船内には熱帯雨林や北方林を模した環境が整備され、生物多様性を守りつつ食料や資源を循環利用する構想です。
しかし、実用化には未だ存在しない技術、特に商用核融合炉などが必要です。完全に仮想的な計画ではあるものの、こうした研究は将来の宇宙開発に向けた知見を蓄積する役割を果たすと評価されています。
人類が“世代宇宙船”に乗り込み、遠い星系へと旅立つ未来。それは今の私たちにはSFに思えるかもしれませんが、クリサリスのような構想は確実に、その夢を現実へと近づけています。皆さんは、約400年の恒星間の旅に出てみたいですか?ぜひコメントお待ちしています。
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