FOMC、7月利下げ支持少数 関税影響なお懸念=議事要旨
[ワシントン 9日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)が9日公表した6月17─18日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨によると、早ければ7月に利下げが可能だとの認識を示したのは参加者19人のうち「2人」にとどまった。
「大半の参加者」は、トランプ米大統領の関税措置による物価への影響を依然として懸念している。その上で、価格への影響は「一時的もしくは小幅」になると見込み、年内に利下げが適切になるとの見解を示した。
「一部」の政策立案者は利下げは必要ないとし、「複数」は現在の政策金利の水準が中立金利を「それほど上回っていない」と認識。トランプ氏が求める大幅な利下げとは異なる見解を示した。
BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、プリシラ・チアガモーシー氏は、議事要旨は関税による物価への影響について「相当の不確実性」があるとしつつ、早期に利下げする緊急性がない点を強調していると述べた。
議事要旨発表後、市場では7月の利下げ観測が一段と後退。年内に50ベーシスポイント(bp)利下げされるとの見方を維持し、9月と12月の利下げを見込んでいる。
議事要旨には「経済成長と労働市場は引き続き堅調で、現在の金融政策はやや引き締め的であり、委員会は物価と経済活動の見通しがより明確になるのを待つことができるとの見解で参加者はおおむね一致した」と記された。
大半の参加者が年内に利下げが適切になるとの見方を示す一方、見通しについては見解が大きく分かれた。議事要旨は「一部の参加者は物価の上昇リスクが依然として顕著だと認識した」と指摘。6月会合後に公表された予測では7人が年内利下げなしと予想していた。一方で「複数の参加者は労働市場へのリスクが顕著になってきていると指摘」した。
<慎重なアプローチで合意>
基調的な需要の見通しを巡っても参加者の間で見解が分かれ、「数人」が堅調な個人消費を指摘する一方、別の「数人」は軟化の兆しを指摘した。また、低所得世帯が低価格品への切り替えを進めており、関税に絡む物価上昇の影響を不釣り合いに受けている可能性があるとの指摘も複数あった。
ただ、関税措置やその影響が依然として不透明な中、参加者は「金融政策の調整には慎重なアプローチが引き続き適切だとの見解で一致」した。
トランプ氏は大幅な利下げを要求し、パウエルFRB議長に辞任を迫っている。パウエル氏の議長任期は来年5月15日までとなっている。
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Covers the U.S. Federal Reserve, monetary policy and the economy, a graduate of the University of Maryland and Johns Hopkins University with previous experience as a foreign correspondent, economics reporter and on the local staff of the Washington Post.