18歳学生を訴追、地下鉄で乗客に放火 米NY市

放火の罪に問われているハイラム・カレロ容疑者/New York Daily News/Tribune News Service/Getty Images

(CNN) 米ニューヨーク市で、地下鉄の車内で寝ていた乗客に放火したとして18歳の男子高校生が訴追された。

司法省の発表によれば、ハイラム・カレロ容疑者は地下鉄3号線の車内で、紙切れに火をつけて56歳の男性の近くに落としたとして、傷害を伴う放火の罪に問われている。

被害者はその後、ふらつきながら駅のプラットホームに降りた。脚や胴体に火が付いている様子が監視映像に映っていた。

警察が火を消し、被害者は重体で病院に搬送された。

乗客に火がついている様子が監視カメラでとらえられていた/DOJ

訴状によると、容疑者は短時間電車に乗った後、逃走してバスでハーレムに向かった。容疑者は4日にハーレムで逮捕された。弁護人によれば、容疑者は障害のある母親と暮らしており、主な介護者を務めていたという。

米国の都市部では近年、公共交通機関で放火事件が相次いでいる。ニューヨークやシカゴでは鉄道職員も意図的に火をつけられる事案が起きている。

AP通信によると、容疑者を母親の監視下で自宅軟禁にするという判事の決定に対し、検察側が異議を申し立てた。これを受けて、連邦地裁のカプロニ判事は「犯行の凶悪性」を理由に容疑者の勾留を命じた。

検察によれば、有罪判決を受けた場合、容疑者には最低7年の禁錮刑が科される。

地下鉄での犯罪は「減少」

今回のような事件が起きているものの、ニューヨーク市警は交通犯罪が減少していると発表した。NY市警幹部によれば、新型コロナウイルス感染症の流行期を除けば、今年11月は地下鉄にとって最も安全な月だった。

市警が公表した11月の犯罪統計によると、交通犯罪は前年比で24.8%減少した。市警は、新型コロナで乗客数が歴史的に少なかった時期を除けば、地下鉄は今年7月から11月にかけて、記録上最も安全だったと述べた。

市警によれば、ニューヨーク市の2025年1~11月は、記録が残る限りの中で銃撃事件と銃撃の被害者が最も少なかった。この減少を市警の「秋の暴力削減計画」によるものとした。

この計画は、暴力犯罪や銃撃に対抗するためのデータ重視の戦略で、38の地域をカバーする54の区域に、夜間の警備として約2000人の制服警官を公営住宅や地下鉄などに配置している。

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