確執再び?フェルスタッペンとノリス対立 ― ポール逃し「このことは覚えておく」批判を受け「レッドブルは文句ばかり」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、2025年F1第18戦シンガポールGP予選でポールポジション獲得のチャンスを逃したのは、ランド・ノリス(マクラーレン)の走行が自身の最終アタックに悪影響を及ぼしたためだと主張した。

ターン16~17のシケイン進入時、前方を走っていたノリスの乱流によってアンダーステアに見舞われ、Q3の1回目のラップタイムを更新できなかった結果、フェルスタッペンはジョージ・ラッセル(メルセデス)に0.182秒差で敗れ、2番手に終わった。

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マリーナ・ベイ市街地コースのレイアウト図(F1シンガポールGP-2024年)

「惜しかった。ラップ自体は順調だったけど、残念ながら最終シケインのところで2秒前にクルマがいたんだ。そんな状況になったらおしまいだよ。乱流があったらダメなんだ。ここはすべてのコーナーを完璧に決めるのが本当に難しい」とフェルスタッペンは悔しさをにじませた。

「Q3のプッシュラップでは、ブレーキングを含めて完全に限界まで攻めているから、常にクリーンエアが必要なんだ。今回はダウンフォースを少し失って、コーナーを上手く回れなかった」

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予選後の記者会見に臨む2番手マックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年10月4日(土) F1シンガポールGP(マリーナベイ市街地コース)

フェルスタッペンによれば、通常予選では前走車の乱流を避けるため「少なくとも6〜7秒の間隔を空けるよう常に心がけている」という。

「おかげでラップを中止せざるを得なかった。もしあれがなければ、ポール争いはかなりの接戦になっていたと思う。でもしょうがない。前を向くしかない」と付け加えた。

ターン16の進入時点でラッセルに対して約0.1秒遅れていたフェルスタッペンは、最終セクターでの挽回を狙っていた。実際、1回目の計測ラップではターン16以降でラッセルをわずかに上回っており、ノリスの乱流がなければ差を埋めていた可能性もある。

逐一報告を受けていたノリス

フェルスタッペンが最終アタックに向けてピットアウトした時点で、ノリスはすでにアタックラップを開始していた。

フェルスタッペンがノリスの背後に迫ってきたのは、ノリスがラップをフィニッシュした後、低速走行でピットに戻りながら、ターン9〜10間のストレートでチームメイトのオスカー・ピアストリを先行させた後のことだった。レースエンジニアのウィル・ジョセフはノリスに対し、フェルスタッペンとの位置関係を逐一報告していた。

フェルスタッペンがノリスに追いついた後、フェルスタッペンの担当レースエンジニア、ジャンピエロ・ランビアーゼは「これについては“友達”に感謝だな」と語り、ターン16でのアンダーステアはノリスのせいだと示唆した。

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予選後の計量に臨むランド・ノリス(マクラーレン)、2025年10月4日(土) F1シンガポールGP(マリーナベイ市街地コース)

物理的に進路を妨げたわけではないため、進路妨害の対象にはならず、スチュワードによる調査は行われなかった。だが、フェルスタッペンは「暗黙のマナー」として、互いの走行を邪魔しないよう最大限配慮すべきだと強調する。

「たとえ僕じゃなかったとしても、こういうことが起きるのは気分が良くない。それは明らかだ。基本的に僕たちドライバーはお互いの邪魔をしないよう気をつけている。もちろんケースバイケースではあるけど、今回はQ3に10台しかいなかった。避けることはできたはずだ」と語った。

フェルスタッペンは、この件についてノリスと直接話す意向はないとしつつも、「このことは覚えておく」と意味深に付け加えた。

一方、フェルスタッペンの批判について問われたノリスは、「彼らは何かにつけて、いつも文句ばかり言う。それがレッドブルなんだ」と皮肉を交えつつ反論した。

「正直、意味が分からない。僕は3秒くらい前にいたと思う。理解できないね」

仕事でもプライベートでも良好な関係を築いてきた両者だが、2024年のオーストリアGPでの接触事故をきっかけに一時関係が悪化。友情にひびが入りかけたが、その後和解している。

2025年F1シンガポールGP予選では、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がポールポジションを獲得。2番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)が続く結果となった。

決勝レースは日本時間10月5日(日)21時にフォーメーションラップが開始され、1周4940mのマリーナベイ市街地コースを62周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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