全長はなんと約2.7m!! 車重は驚異の600kg以下! まるでバイク並みの取り回し「スズキ ツイン」高速での走りが衝撃

/ コラム

 たくさん売れたわけじゃないが何年経っても覚えている、印象的だったクルマを取り上げるこの企画。今回は、もはやクルマではなく「ペット」と呼びたくなるほどかわいいスズキ ツインを取り上げる。軽やかに走ってよく曲がるぞ!!※本稿は2025年6月のものです文:小沢コージ/写真:ベストカー編集部 ほか

初出:『ベストカー』2025年7月10日号

【画像ギャラリー】回転半径3.6m&車重600kg以下!! 小さく丸くかわいいスズキ ツイン(24枚)

2003年から2005年まで販売されたスズキ ツイン(中古相場:30万~130万円)

 灯台もと暗しというか「近くて見えぬはまつ毛」というか、久々に驚いたわ。こんなに可愛かったっけこのクルマ?

 シンプルかつマヌケ過ぎる丸型ヘッドライトにリアコンビといい、全長3m切りの超丸型ボディといい、漫画のケロロ軍曹もビックリのリアルコミック顔。

 1990年代末に出たスマートに始まり、このツイン、そしてトヨタ iQと続く世紀末3m以下のマイクロカーたちだ。

 当時の環境問題や駐車場不足、省エネから生まれた極端なシティコミューターだが、特に2003年登場の2人乗り軽=ツインは3mを大幅に切る2.7mボディや全幅1.5m切りの幅で圧倒的に小さくキュート。しかしこの非現実的な丸さや2人乗りじゃ高すぎる130万円台のハイブリッドもあり、わずか3年弱で販売終了。

 だがいま見ると当時49万円の衝撃価格で出た削ぎ落とし仕様のガソリンAはウソでしょ? ってほど装備省かれ、パワステはもちろんカーステレオにエアコンも付いてないし、今回借りたガソリンV(黄)やガソリンB(青)も完全にマニュアルエアコン仕様。

 でもその走るコンセプトカーの如き作りとピュアデザインが逆に、これでホントに街走っていいのかよ! ってレベルで嬉しくなる。

 実車を目の前にするとそのサイズ感にまず圧倒だ。まさに実物大オモチャそのもので、さらに素っ気ないディテール、フチ取りなしのライト類や手作りの如き漆黒バンパーに驚く。

 乗ったら乗ったで、手で削り出したようなダッシュボードの窪みや真っ平らなドアトリムが新鮮。シートは当時のアルトかなんかの流用だろうけど、これまた作りは最低限で、UVカットガラスなど絶対入ってない装備類も作りかけの実験車っぽくてまたヨイ。

 確かに、後ろから強風が吹いたら折れちゃいそうな華奢すぎるドアや雨漏りしそうなリア窓は不安だけど、それでも左右ウィンドウは一応ハメ殺しじゃないし、ガソリンV、Bならパワステ付きだし、リアの開閉はこれまた最低限のガラスハッチだけど、助手席を倒せばゴルフバッグ1個は載りそうだし結構使える。

高速での頼りなさは否めないが、走りはナチュラルで好印象

 予想外にいいのが超ナチュラルな走りだ。ホイールベースわずか1.8mのマイクロボディだけに高速直進性は期待できず、小さいわりに頑張ってるトヨタ iQやスマートクーペに比べて高速での頼りなさはビシバシ感じる。

 しかし街なかでの楽しさはマジバイク並み! 今回乗ったガソリンVは、わずか44psの直3エンジン搭載でかったるい3速AT付きだけど、車重たった600kgで、オマケに最小回転半径3.6mだからクルクル回る回る。

 マジメに片側1車線あればUターンは楽勝だし、軽さ、ダイレクト感、取り回しのよさったらない。自分の体重が半分になったキブンになれる。

 ちなみにハイブリッド仕様はほぼ出回ってないし、あっても壊れるからお薦めできないそうだけど、ガソリン版の5MTは超人気で買いだし、走っても楽しい。

 その気になれば当時のスズキのK6Aターボがそのまま付くから載せ替えたらパワーウェイトレシオはなかなか。想像するだに暴れ馬だが楽しさはバッチリだ。

 最後にいま中古上玉は少なめだけど価格高めで、40万円前後から5MTの低走行車は約100万円。年式は20年落ちで品質に過剰な期待はできないけど、ちょっと欲しくなるよね!

次ページは : スズキ ツイン伝説1:スズキ初の軽ハイブリッドも!

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