中国シャオミ、初の電動SUV「YU7」でテスラに挑む 予約開始1時間で28万9000台受注
中国スマートフォン大手の小米(シャオミ)は6月26日夜、多目的スポーツ車(SUV)タイプの新型電気自動車(EV)「YU7」シリーズの予約販売を開始した。シングルモーター後輪駆動の「 YU7」、デュアルモーター四輪駆動の「YU7 Pro」と「YU7 Max」の全3モデル展開で、価格は25万3500〜32万9900元(約510万〜660万円)。予約開始1時間で受注台数は28万9000台を突破した。予約には5000元(約10万円)の手付金が必要だが、注文が確定する前であれば、7日以内にキャンセル可能だという。
中国では2024年、中型以上の電動SUVの販売台数が約166万台に達した。うち米テスラの「モデルY」が55万6700台と圧倒的トップだった。シャオミは、YU7でモデルYに挑む。他にも、蔚来汽車(NIO)の「ES6」や極氪(ZEEKR)の「7X」、小鵬汽車(Xpeng)の「G7」なども、YU7の有力なライバルになるとみられる。
YU7の全モデルには、3枚のミニLEDスクリーンを使用した幅1.1mのワイドパノラマディスプレーを搭載。画素密度は108PPDと超網膜レベルの高精細を実現。フロントガラスにAR(拡張現実)ナビ情報を投影することもできる。
スマートコックピット向けSoCは米クアルコムの「Snapdragon 8Gen3」を、自動運転向けSoCは米エヌビディアの「DRIVE Thor」を採用。LiDARのほか、4Dミリ波レーダー1基、カメラ11台、超音波レーダー11基を組み合わせ、高精度地図不要の都市ナビゲーション機能などをサポートする。
動力システムは、800Vの急速充電に対応する独自開発のシリコンカーバイド(SiC)高電圧プラットフォームをベースとしている。YU7は最高出力235kWの駆動用モーターを搭載し、最大トルクは528N·m、時速100kmまでの加速時間は5.88秒、最高時速は240kmとなる。容量96.3kWhのリン酸鉄リチウムイオン(LFP)電池モジュールを搭載しており、航続距離は835km(中国独自のCLTC基準)に上る。
YU7 Proは最高出力370kWの駆動用モーターを搭載、最大トルクは690N·m、時速100kmまでの加速時間は4.27秒、航続距離は770km。YU7 Maxは時速100kmまでの加速時間が3.23秒、航続距離は760kmとなっている。
*1元=約20円で計算しています。
(36Kr Japan編集部)