29日夜は「きぼう」の観測チャンスが2回も!好条件も気になる各地の天気は?(tenki.jp)
今日29日の夜は、国際宇宙ステーション(ISS) /「きぼう」が日本の上空を2度通過します。時刻や観測のポイント、気になる今夜の天気をまとめました。
今日29日の夜に、日本の上空を国際宇宙ステーション(ISS) /「きぼう」が通過します。 国際宇宙ステーション(ISS)は、地上から約400km上空に建設された実験施設で、「きぼう」とは、その中の日本実験棟の名前です。ISSはサッカー場くらいの大きさで、1周およそ90分というスピードで地球の周りを回っていて、条件が揃えば地上から肉眼で見ることができます。 また今夜は2度、日本の上空を「きぼう」が通過します。 上の図は今夜1度目の「きぼう」が見え始める時刻と最大仰角(最接近)時の方角です。午後6時24分頃から観測のチャンスがあります。見え始めから見え終わりまでは5分程度の所が多くなっています。北海道から関東、北陸にかけては「◎」や「〇」と条件が良いので、「きぼう」を見つけるチャンスです。近畿や中国地方も「△」と天気次第ではありますが、見ることができそうです。ただ、「きぼう」が高度の低い所を進むため、空が開けた所で見るようにしましょう。
こちらの図は今夜2度目の「きぼう」が見え始める時刻と最大仰角(最接近)時の方角です。午後8時頃から観測のチャンスです。ただ見え始めから見え終わりまでの時間は1分から2分程度と、1度目の通過よりも短くなっています。九州では「〇」と条件が良く、そのほか西日本を中心に「△」と観測のチャンスはあります。
今夜は晴れて、「きぼう」が観測できるところが多くなります。北日本、また東日本から西日本の太平洋側を中心に晴れるところが多いでしょう。日本海側では雲が多く、通り雨のところもありますが、わずかに雲の隙間はありそうです。
国際宇宙ステーション(ISS)が地上から見られる条件は以下の3つです。 ① 晴れていること ISSは雲より高い宇宙空間を飛んでいるので、曇っていると地上からは見えません。 ② 自分の上空をISSが通過すること ISSは同じ軌道を回っていますが、地球が自転によって回転しているため、ISSが通過する位置は変化しています。自分の上空付近をISSが通過するタイミングで見ることができます。 ③ 自分のいる場所は夜で、ISSが昼であること ISSは自分で光っているわけではなく、太陽の光を反射して明るく輝きます。ISSが地上から見えるためには、ISSには太陽の光が当たっており、地上は夜となっていなければいけません。上の図のように、ISSは地上400km上空にあるため、地上の日が落ちてからしばらくの間は太陽に照らされています。同様に、地上の日の出よりも先に上空の ISS には太陽の光が当たります。日の出前や日の入り後の約 2 時間は、地上は夜ですが400km上空はまだ昼の状態で、この時間帯に ISSが自分の上空付近を通過した時にISSを見ることができます。
日本気象協会 関西支社 石井 元樹