石川祐希「解決策が見つからない」高橋藍「正直、不安があった」“どうした男子バレー”まさかの予選敗退…トルコ戦翌日から一体何があったのか(Number Web)
トルコに敗れた翌日、練習に臨んだ選手たちの表情は決して暗くなかった。伊藤健士コーチが分析した前日の敗因も的確だった。 「トルコのパフォーマンスが近年で最も素晴らしいレベルでした。(エフェ・)マンディラチのサーブは広角で的も絞らせず、対応しようとしてもアイディアが出てこないぐらいトルコがよかったので、誰かのせいでもコンディションのせいでもない。あのバレーをされたらどうしようもない、という状況でした」 カナダ戦に勝てば自信を取り戻し、士気も高まるはず。チーム内には悲観する空気はない。さらに伊藤コーチが「(過去の対戦から)トルコと比べてカナダは日本と似たチームで相性は悪くない」と分析したように、勝利の要素も明確に打ち出されていた。 「攻撃の速さやフェイント、ティップを多用するチームなのでそれを落とさずサイドアウトを取ることができれば勝機は十分にある。サーブが弱くなると1番のミドルはよく跳んで打つ選手なので、彼に気持ちよく打たせないようにサーブで攻め、ディフェンスから切り返す。クオリティを比較すれば日本は負けていないので、自ずと点数も入るはずです」(伊藤コーチ) トルコ戦から中1日で迎えたカナダ戦。日本は立ち上がりから気迫あふれるプレーを見せ、ロラン・ティリ監督が敗戦直後のミーティングで求めた“エナジー”を随所に発揮していた。1-3と2点をリードされた第1セット序盤、高橋藍のサーブレシーブからオポジットの宮浦健人が2枚ブロックにも臆することなく打ち抜き、すぐさま1点を返す。両手を強く握りしめて咆哮した宮浦は、続けて左手を高く突き上げた。 「自分自身もチームとしても、一つ“エネルギー”が欲しかった。乗り切れないところもあったので、あえて大きく(ガッツポーズで)パフォーマンスしました」 さらに石川のサービスエースが決まって3-3。コートに立つ選手たちがギュッと円陣を組むと、フィリピンの会場に拍手と大声援が沸き起こる。 だが、ここから日本は崩れた。6-7からカナダにサービスエースを決められると、スパイクミスとブロック失点が重なり、5連続失点。6-12と点差が一気に開いた。タイムアウトを取っても流れは変わらず、中盤に宮浦や高橋のサービスエースで2点差まで迫る場面もあったが、このセットだけで6本のブロック失点が響き、20-25で第1セットを落とした。