Pixel 10の心臓部「Tensor G5」なにがどうヤバいの? グーグルが明かした「5つの進化点」まとめ
グーグルは8月27日、次期スマートフォン「Google Pixel 10」シリーズに搭載予定の独自開発モバイルプロセッサー「Google Tensor G5」について、その主な特徴を紹介する公式ブログを公開した。 【もっと写真を見る】
グーグルは8月27日、次期スマートフォン「Google Pixel 10」シリーズに搭載予定の独自開発モバイルプロセッサー「Google Tensor G5」について、その主な特徴を紹介する公式ブログを公開した。「カスタムシリコンにおける過去最大のアップグレード」とうたう第5世代チップは、Pixel 10のAI体験をどう変えるのか。公開された5つの特徴から、その進化点を見ていこう。 Tensor G5はなにがすごいのか? まず、基本的な性能が全面的に強化された点だ。Google Tensor G5は、AI処理を担うTPUの性能がGoogle Pixel 9シリーズ比で最大60%向上したほか、CPUもGoogle Tensor G4と比較して平均34%高速化した。製造プロセスにはTSMCの最先端3nm技術を採用しており、これによりチップの高性能化と高効率化を両立。ウェブブラウジングのような日常的な操作から、高度なAI機能の実行まで、あらゆる場面で応答性が向上するという。 次に、AI機能の中核が飛躍的に進化した点だ。Google DeepMindとの連携により、最新のGemini Nanoモデルを搭載する初のチップとなり、多くの生成AI機能をインターネット接続なしでデバイス上で実行できる。これにより、従来のモデルと比較してAI処理の速度は2.6倍、効率性は2倍に向上したという。「Pixelスクリーンショット」や「レコーダー」といった機能の高速化に加え、「マジックサジェスト」のようなPixel独自の機能もすべてオンデバイスで提供される。 3つ目は、カメラ性能のさらなる向上だ。新しい画像処理プロセッサー(ISP)を搭載し、暗い場所での手ぶれ補正を強化したほか、1080pおよび4K/30pでの10bit動画撮影を標準でサポートする。肌の色を自然に再現する「リアルトーン機能」も改良された。AIを活用したカメラ機能も進化し、「超解像ズーム Pro」では、過去最大のAIモデルを実行することで最大100倍という驚異的なズーム撮影を実現し、遠くの被写体も細部まで鮮明に捉えることが可能になる。 4つ目の特徴として、コンテンツの信頼性を担保する新しい仕組みが挙げられる。Google Pixel 10のカメラアプリには、画像の来歴を安全なメタデータとして記録する「C2PA Content Credentials」が初めて組み込まれる。このプロセスはTensor G5とTitan M2セキュリティチップ上で完全にオンデバイスで実行され、C2PAが定義する最高レベルのセキュリティー評価を達成しているとのことだ。 そして最後に、これだけの性能向上を果たしながらも、バッテリー性能を維持している点だ。グーグル によると、Google Pixel 10シリーズは30時間以上のバッテリー駆動時間を実現しており、朝から晩まで、さらにその先まで安心して使用できるだけの電力を確保しているとしている。 文● サクラダ 編集●飯島恵里子/ASCII