「夏休みの宿題」に異変「AI文章を人考えたように」代行業者に“逆AI”依頼「カスタマイズ」提出不要も(関西テレビ)
夏休みも残りわずか…みなさん「宿題」は終わりましたか? 【中学2年生】「終わってないです!」 【高校2年生】「全然終わってないです」 (Q.終わりそうですか?) 【高校2年生】「ちょっと厳しいです」
夏休みも、あとわずか。 週明けが始業式、まさに宿題に取り掛かっているという、大阪市に住む小寺さん。 【咲凛さんの母】「『角度』完璧やん、これが得意なんちゃう?」 【咲凛さん(9)】「これが得意」 【咲凛さんの母】「全部あってるわ!」 3人きょうだいの末っ子、小学4年の咲凛(あかり)さん(9)。ことしから自由研究の宿題が始まりました。 (Q.いまから何しますか?) 【咲凛さん(9)】「理科の自由研究です。(テーマは)スライムは液体に戻るのか」 家にあるものでスライムを作り、液体に戻すのがテーマです。 きょうはスライムをあたためてみます。 【咲凛さんの母】「どう?」 【咲凛さん(9)】「とけた」 (Q. 咲凛さんとしては成功?) 【咲凛さん(9)】「さんかく。わらび餅みたい…液体にはなってないから」 研究の結果、「液体には戻すのは難しい」ことが分かったそうです。 【咲凛さんの母】「ゼロから生み出すってなると時間がかかるタイプなので、最後に残ったんだと思います」
そもそも夏休みの宿題はいつからあったのか? その答えとなるのがこちら。宮崎県の文書センターで見つかった、今から100年以上前の明治43年の宿題。 漢字の読み仮名を書くものや…その日あったできごとを書く日記もあります。 さらに夏休みの心得とされたのが、「アサハヤクオキテ、ヨルハヤクヤスメ」。 長い休みの中で「学習ペースを乱さないように」という目的で、宿題が始まったそうです。
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「夏休みの宿題」って一体、どこまで必要? ユニークな取り組みをしている中学校があると聞き、取材班が訪れたのは、兵庫県西宮市の公立中学校です。 【西宮市立深津中学校 西坂大輔校長】「昨年から夏休みの宿題を、(生徒が)自分たちでカスタマイズする、そういう形を取っております」 カ、カスタマイズ??? こちらの深津中学校では、教師は原則、夏休みの宿題を「提案」するだけで、内容や量を決めるのは生徒自身。原則、提出も不要なんです。 はじまりは「自分で考える主体性を育んでほしい」という校長先生の思いから。 そしてこんな裏テーマもあるそうで…。 【西宮市立深津中学校 西坂大輔校長】「40日間をより有効に思い出に残るような、そんな取り組みをしてもらいたい。青春18きっぷを使って九州の祖父母の家に1人で行ったというエピソードとか、1人で車博物館に行く計画を立てたとか」 生徒からの評判は上々ですが、保護者にアンケートを取ったところ、6割が継続を希望した一方、4割が「元に戻してほしい」と回答。 「自主性のあるお子さんと、言われないとやれないお子さんとの差が広がる」などの意見も寄せられ、今後も試行錯誤を続けるということです。 【西宮市立深津中学校 西坂大輔校長】「AIからアイデアをもらったものをそのまま書き写す、全く思考が動いていない。これからは自分で考えて、取り組む宿題というのが、学力も点数化されない非認知能力も育っていく」 子供たちにとってふさわしい夏休みの宿題とは。真剣に考える時が来ているのかもしれません。
東京学芸大学教育心理学の太田絵梨子特任講師によると「今の宿題は目的方法に納得感がない。だからやる気が起きない。子供が選択することができ、『やった方がいいな』と思える宿題の出し方、指導が必要」ということです。 【藤本景子アナウンサー】「子供の(宿題の)プリント見てみたけどすごく少ない。私の頃は絵日記は毎日書かなきゃいけなかった。今は2日分だけでした」 京都大学大学院藤井聡教授は、子供が宿題を選択する方式では「やらない子供が半分以上いるのでは?」と述べ、「まずは大人が推薦してみては」と提案しました。 【京都大学大学院 藤井聡教授】「もちろんそう思うんですけど、(子供が宿題を選択する方式だと)やらん子、半分以上いるかと思う。自分の肌触りでいつも思うのが、ほんまに子供の頃見ておもろかったなとか、映画とか漫画でもドラマでも本でもいいし、それを見たらって見せて、その子らが面白かったですっていうのが一番手触りがありますよね。周りの大人に文芸作品、漫画でも動画でもいいから推薦して見て、それについて感想でも書いたりするのはすごくいいかなと思いますけど」 (関西テレビ「newsランナー」 2025年8月22日放送)
関西テレビ