ガザで栄養失調急増、乳幼児21人死亡 WHO警告 物資不足

世界保健機関(WHO)は23日、パレスチナ自治区ガザで栄養失調に陥る住民が甚だしく増加しており、2025年に入って5歳未満の乳幼児21人が死亡したと明らかにした。22日撮影(2025年 ロイター/Dawoud Abu Alkas)

[23日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は23日、パレスチナ自治区ガザで栄養失調に陥る住民が甚だしく増加しており、2025年に入って5歳未満の乳幼児21人が死亡したと明らかにした。ガザへの食料や医薬品といった援助物資の供給体制が崩れ、運搬なども制限されていることから、食料不足による飢餓がまん延していると警告している。

イスラエルは3月、ガザを封鎖し、全ての物資供給を遮断した。その後、5月に封鎖を解除したものの、ガザでは食料が枯渇する状況が続いている。ただ、イスラエルは援助物資が武装勢力に流用されるのを防ぐためだとして、物資供給を制限している。援助団体は、ガザの住民に届けられているのは、必要とされる物資に対して、ごくわずかな分量にとどまっていると指摘している。

WHOのテドロス事務局長は、3月から5月にかけて、WHOが80日間近く食料を供給できず、再開後も依然として必要な量に遠く及んでいないと指摘した上で「ガザに住む210万の人々は、爆弾や銃弾だけでなく、飢餓という新たな死の恐怖に直面している。われわれは今、栄養失調の急増を目の当たりにしている」と強調した。

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