エヌビディアCEO、TSMC訪問 中国向け新型半導体で米政府と協議中

米半導体大手エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は22日、提携先である台湾積体電路製造(TSMC)を訪問するため、台北に到着した。資料写真、7月(2025年 ロイター/Kent Nishimura)

[台北 22日 ロイター] - 米半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)は22日、提携先である台湾積体電路製造(TSMC)(2330.TW), opens new tabを訪問するため、台北に到着した。

地元メディアが中継した映像によると、フアン氏は空港で報道陣に「ここに来た主な目的はTSMCを訪問することだ」とし、滞在時間は数時間で、TSMCの幹部と夕食を共にした後に台湾を離れる予定だと語った。

また、TSMCからスピーチを依頼されたとも語った。TSMCからは今のところコメントを得られていない。

ロイターは今週、エヌビディアが中国市場向けの新たな人工知能(AI)半導体「B30A」(仮称)を開発していると報道。現在中国で販売が認められている「H20」よりも高性能なものになる見込みだ。 もっと見る

B30Aについて質問されたフアン氏は、H20の後継品を中国に提供することについて米政府と協議しているが、決定は同社が下すものではないと発言。「もちろん米政府次第であり、当社は政府と協議しているが、どうなるかはまだ分からない」と述べた。

中国当局は先週、H20の購入を巡って国内企業を呼び出し、情報リスクへの懸念を伝えたが、フアン氏は、H20の対中輸出は国家安全保障上の懸念ではなく、H20を中国に輸出できることは「非常にありがたい」と述べた。

関係者によると、エヌビディアは、台湾の電子製品受託生産大手、鴻海(ホンハイ)精密工業(2317.TW), opens new tabに対し、H20に関連する生産作業を一時停止するよう要請した。同社の広報担当者は「われわれは市場の状況に対応するため、常にサプライチェーン(供給網)を管理している」と説明した。 もっと見る

エヌビディアがサプライヤーに生産停止を要請したかどうか尋ねられたフアン氏は、かなりの数のH20を準備しており、現在は中国の顧客からの購入注文を待っているところだと答えた。

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Ben joined Reuters as a company news reporter in Shanghai in 2003 before moving to Beijing in 2005 to cover Chinese politics and diplomacy. In 2019 Ben was appointed the Taiwan bureau chief covering everything from elections and entertainment to semiconductors.

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