[MOM1096]筑波大GK佐藤瑠星(4年)_「大津高校の絆」PKストップ、イタリアで得た“収穫”

[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ] [9.3 総理大臣杯1回戦 常葉大1-1(PK2-4)筑波大 いわぎんB]

「大津高校の絆」と胸を張った。1-1のまま決着がつかず、勝ち上がりを決めることになったPK戦。先攻の筑波大(関東8)は、一人目で蹴ったFW小林俊瑛(3年=大津高)が失敗したが、守護神・佐藤瑠星(4年=大津高/浦和内定)がその裏のPKをストップ。後輩を救うセーブをみせると、3人目も失敗に追い込んで勝利を呼び込んだ。

 個人としても苦い思い出を払拭すべくゴールマウスの前に立っていた。昨年度大会でベスト4に進出した筑波大だが、準決勝で新潟医療福祉大にPK戦の末に敗戦。その会場となったのが、この日戦ったいわぎんスタジアムBだった。さらに7日の2回戦では新潟医福大との再戦も決定。「まずは目の前の相手に勝とうということで集中していた」と話した佐藤も、「まだ明後日(7日)、来年のリベンジなので。そこは勝ちたいですね」と鼻息は荒い。

 今夏は全日本大学選抜の一員としてイタリア遠征に帯同。佐藤は5試合中3試合で先発した。「セリエAのトップクラブとやったことで自分にも少し余裕ができましたが、課題もみえた。最初の15分の守備の強度だったり、パスやクロスの精度はすごいなと思いました。課題を改善できるように、勝ちにこだわりながら成長に繋げていきたい」。フィオレンティーナ戦ではGKダビド・デ・ヘアとユニフォームを交換。たくさんの“収穫”を得て帰国した。

 筑波大は海外移籍のためにFW内野航太郎(ブレンビー)が今夏限りで退部。今春好調だったMF廣井蘭人(3年=帝京長岡高)も前十字靭帯の負傷で離脱を余儀なくされた。それでも佐藤は「怪我とかイレギュラーなメンバー編成になっているけど、そこはしっかりと自分たちはコミュニケーションを取って解決している」と問題がないことを強調すると、「いろんな人に支えてもらっているので、そこの感謝を忘れずに、一つひとつ目の前の相手と戦って優勝を目指したいなと思います」と気を引き締める。浦和内定GKは悲願の日本一タイトルを本気で掴みに行く。

(取材・文 児玉幸洋)●第49回総理大臣杯全日本大学トーナメント特集

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