自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末路が発覚...プーチンは保護したのにこの仕打ち(ニューズウィーク日本版)

数十年にわたりシリアを支配し、ロシアの決定的な支援を受けながら長年の内戦を生き延びたシリアのバッシャール・アサド元大統領。 【動画】暴君だった独裁者の、哀れすぎる亡命生活の実態 英ガーディアン紙によると、政権崩壊後、ロシアに亡命して1年が経過した現在、アサドはロシアでプーチンに冷や飯を食わされており、ほぼ孤立状態にあるようだ。 かつて中東で長期間権力の座にあった指導者だったアサドは現在、ロシア語を学びながら眼科医としての再出発を試みており、政治や公の場からは大きく距離を取りつつ、モスクワで私生活の再構築を進めている。本誌は、ロシア政府にコメントを求めている。 アサドの亡命は、独裁者の劇的な没落を物語っている。アサドの現在の境遇は、一度権力を失えば、かつて地域戦略に不可欠と見なされた人物であっても、政治的な存在感がいかに急速に消えうるかを如実に示した。 また、同紙は、ロシア政府はアサドの安全と経済的安定を保障しているが、移動、通信、公的および政治的活動に関しては厳格な制限を課しているとも報じている。ロシアが政治的に役目を終えた旧同盟者たちをどのように扱うかという好例だ。

アサドのロシアでの生活を詳しく見ると、シリアを離れて以降、彼の日常や職務がいかに劇的に変化したかが明らかになる。 アサドとその直系の家族は主にモスクワに居住しており、ときおりアラブ首長国連邦にも出かける。彼らは、モスクワの西に位置する政界の要人や富裕層が多く暮らしている高級ゲーテッドコミュニティ「ルブリョフカ」に住んでいると見られている。 経済的な不安はないものの、家族はロシア政府の監視下で、ほぼ完全な孤立状態にあるという。「とても静かな生活だ。外の世界との接触はほとんど、あるいはまったくない」とアサド家と友人関係にある人物はガーディアンに語る。 また、アサドは、政治に入る前に学んでいた眼科医療の実務を再開しているほか、ロシア語の学習にも取り組んでいる。ある情報筋は「アサドはロシア語を学びつつ、眼科の知識も再習得している。眼科医療はアサドが愛してやまない分野だ。金銭のためではない。シリア内戦以前、ダマスカスで定期的に眼科医療の仕事をしていた」と語る。 観測筋は、将来的にモスクワの富裕層が彼の患者になる可能性もあると見ている。 また、クレムリンに近い情報筋によれば、アサドはもはやロシアでは政治的に無関係な存在と見なされているという。 別の情報筋も、「プーチンは、権力を維持できなくなった指導者に対してほとんど関心を持たない。アサドはもはや影響力のある人物とは見なされておらず、晩餐に招かれるような客ですらない」と述べている。 実際、アサドは旧政権の関係者とはほとんど接触しておらず、宮殿付きの少数の側近たちとのみ連絡を保っているという。

ニューズウィーク日本版
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