地球史上最低の海水温はマイナス15℃と判明、どういうこと? 生命はどう生き延びたのか

 今回の研究は、カナダ、ビクトリア大学の地質学者ポール・ホフマン氏の疑問から始まった。海底の岩盤に堆積した鉄の層から採取された鉄の異常な値を、スノーボールアースの海水温によって説明できるだろうかと考えたのだ。  これらのさびの帯は、海水に溶けていた鉄が、突然流入した酸素と反応して形成されたものだ。  論文の共著者であるオーストラリア、メルボルン大学の地質学者マックスウェル・レヒテ氏らの先の研究によれば、鉄鉱床は古代の海岸線付近だった。氷河が海と接し、酸素が豊富な融解水が海に入り込んでいた場所だ。  しかし、スノーボールアースの時代の堆積物は、なぜか約24億年前の海の岩石に堆積した鉄の層よりも重い鉄の同位体(質量数が異なる元素)をより多く含んでいた。  ホフマン氏は、この時代の海の温度がこれらの異常な鉄の堆積物を生み出したのではないかと考えた。  ミッチェル氏はその後、論文の筆頭著者で研究を率いた中国科学院の地球化学者カイ・ルー氏とリャンジュン・フェン氏に協力を求め、より重い鉄の存在を説明できる海水温を計算した。結果はマイナス15℃という超低温だった。 「彼らの手法は気に入りました」と語るのは米サウスフロリダ大学の地球化学者ティモシー・コンウェイ氏だ。「実験データと仮定に基づく理論モデルがベースになっていますが、理にかなっているように見えます」。なお氏は今回の研究に参加していない。  チームはこの異常値が氷河による侵食や熱水噴出孔による可能性も検討したが、分析の結果、その可能性は低いことがわかった。  また計算の結果、氷の縁に接する海が凍結しないよう氷点を下げるには、4倍以上も塩分濃度が高かったと判明した。

ナショナル ジオグラフィック日本版

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