135万年後に「第2の太陽」が出現?グリーゼ710が太陽系を横切り、地球に彗星の嵐を引き起こす可能性(スペースチャンネル)
太陽系に“第二の太陽”がやってくる――。そんなSFのような話が、実は現実に起こりうると天文学者たちが警告しています。その主役は「グリーゼ710」。現在はへび座の方向、地球から約60光年離れた場所にあるオレンジ色の矮星です。
■ 想像ではなく「実在」の接近星
太陽系内に侵入した恒星のイメージ 出典:スペースチャンネル(AI)1980年代には「ネメシス」、90年代には「ニビル」といった“架空の脅威”が話題となりましたが、グリーゼ710は実在する星です。サイズは太陽の0.6倍。ヨーロッパ宇宙機関(ESA)のガイア宇宙望遠鏡による最新データをもとにした解析によると、グリーゼ710は最接近時に太陽と地球の距離の13,000倍まで近づくと見積もられています。これは冥王星の軌道のおよそ50倍の距離で、太陽系の外縁部「オールトの雲」に突入するとのこと。
このオールトの雲には、数兆個ともいわれる氷の天体(彗星の素)が存在しているとされており、グリーゼ710の重力によってそのバランスが大きく崩される可能性があります。最大で1億個以上の彗星が軌道を外れ、そのうち数千個が太陽系の内側に向かって飛来する可能性があるとも言われています。
■ 彗星が何百万年もかけて降り注ぐ
オールトの雲 出典:NASAこれは地球に彗星衝突のリスクが高まることを意味し、「恐竜絶滅を引き起こした小惑星衝突に匹敵する規模」になりうるとも指摘されています。彗星の一部は木星などの巨大惑星に吸収される一方で、いくつかは地球軌道をかすめ、あるいは衝突する可能性もあるのです。実際の影響が出るのは、グリーゼ710が通過した後の数百万年にわたって続くと見られています。
遠い将来の話とは言え、グリーゼ710は今後1000万年間で最も太陽系に影響を与えるとされる恒星です。接近時には地球から肉眼でも見える明るさになると予測されています。そして、グリーゼ710は太陽系を通過した後、およそ6万4千年でオールトの雲を離れ、また銀河を旅することになります。
果たして「第二の太陽」が接近した未来では、地球からはどのような光景が広がっているのでしょうか。是非みなさんのコメントお待ちしています。
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