登山で遭難「電波が悪く、紙の地図を持てばよかった」 プロが呼びかけ「スマホ地図」頼みを避けるべき深刻な理由

「Googleマップ」など、「スマホ地図」を頼りに山を登る人が増えた。だが、スマホ地図はもしもの時に頼りにはならない。専門家は「地図」への理解を呼びかける。 【写真】Tシャツ&短パンも…普段義で登山する人々【大丈夫?】 *   *   * ■電波が悪くスマホ地図見られず  9月15日、鳥海山(山形・秋田県境)で東京都在住の男性と山形県在住の小学生2人が道に迷って遭難し、翌朝になって無事救助された。3人は親族で、下山途中まで一緒だったという児童の父親は、新聞の取材に、こう語った。 「一本道で迷わないと甘く見ていた。電波が悪く、スマホの地図が見られないことがあった。紙の地図を持てばよかった」  下山ルートが「一本道」というのは誤りで、実際には分岐がいくつもある。遭難した男性らが鳥海山に登るのは初めてだった。迷った地点は幅広い尾根のくぼんだ場所で、遭難時は霧が濃く、見通しがきかなかった。3人は風の当たらない場所で一夜を過ごしたという。 ■山は「圏外」と思え 「あとひと月遅かったら、気温が下がり、危なかったでしょう」  東京都山岳連盟「おくたま登山学校」委員会委員長の松本圭司さんは、そう指摘する。  道に迷った男性が頼ろうとしたのは、「Googleマップ」「Yahoo!マップ」などの「スマホ地図」だった。 「スマホ地図は常に電波が受信できることを前提に作られたものです」と、松本さんは説明する。  スマホ地図は基地局からの電波を受信して画面表示の更新を繰り返すが、電波が途切れると、地図は表示されなくなってしまう。ふもとの町が見える山頂や尾根にいれば、遠い基地局と電波がつながることもある。しかし、見通しの悪い沢筋の登山道は電波が遮られ、つながらないことが多い。 「山は基本的に圏外になると考えたほうがいい。つまり、スマホ地図は見られなくなることが多い。最近は、紙の地図やヘッドランプなどの基本装備を持たず、街を歩くのと同じ感覚で山に登る人が増えていると感じます」(松本さん、以下同)

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