米ビッグスリー、米英貿易協定を批判 「国内自動車産業に打撃」
5月8日、米ゼネラルモーターズやフォードなど自動車大手3社(ビッグスリー)を代表する米自動車政策評議会(AAPC)が、トランプ大統領が発表した英国との貿易協定に批判の声を上げた。写真は1月、デトロイト自動車ショーの会場で撮影(2025年 ロイター/Eric Cox)
[ワシントン/デトロイト 8日 ロイター] - 米ゼネラルモーターズ(GM.N), opens new tabやフォード(F.N), opens new tabなど自動車大手3社(ビッグスリー)を代表する米自動車政策評議会(AAPC)が、トランプ大統領が発表した英国との貿易協定に批判の声を上げた。米国の自動車産業に害を与えるとしている。
トランプ米大統領とスターマー英首相は8日、貿易に関する「画期的な合意」を発表した。 もっと見る
この協定では、英国の自動車メーカーに対し、年間10万台の自動車を10%の関税率で米国に輸出できる割当枠が与えられた。これは昨年の英国からの輸出台数とほぼ同等となる。一方、メキシコやカナダ、その他ほとんどの国からの輸入には25%の関税が課されている。
AAPCは、USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)に基づいて米国製部品が半分を占めメキシコやカナダで生産した車よりも、米国製部品をほとんど含まない英国車の方が安く輸入できるようになると指摘。「これは米国の自動車メーカー、部品供給業者、自動車労働者に損害を与える」と批判している。
米国の自動車メーカーは、今回の貿易協定が他の協定の雛形となり、カナダやメキシコで組み立てた自動車が不利な立場に置かれることを懸念している。ホワイトハウスはコメント要請にすぐに応じなかった。
AAPCは「英国車が北米車より優遇される協定が、今後のアジアや欧州との交渉の前例とならないことを望む」とした。
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