米の鉄鋼関税引き上げ、EUが批判 「報復の用意」
欧州委員会は31日、トランプ米大統領が打ち出した輸入鉄鋼とアルミニウムへの関税倍増計画に対して、報復する用意があると強調した。写真は3月、ブリュッセルの欧州委本部で撮影したEU旗(2025年 ロイター/Yves Herman)
[ブリュッセル 31日 ロイター] - 欧州委員会は31日、トランプ米大統領が打ち出した輸入鉄鋼とアルミニウムへの関税倍増計画に対して、報復する用意があると強調した。
トランプ大統領は30日、輸入される鉄鋼とアルミニウムに課す追加関税を2倍の50%に引き上げる計画を表明した。 もっと見る
欧州委は、トランプ大統領の関税引き上げを「強く」遺憾に思うとし、「交渉による解決に向けた継続的な努力を損なうものだ」と批判。
「世界経済にさらなる不確実性をもたらし、大西洋の両岸の消費者と企業のコストを増大させる」とした上で「対抗措置を講じる用意がある」との姿勢を示した。「欧州委は現在、対抗措置の拡大について最終的な協議を進めているところであり、相互に受け入れ可能な解決策が見い出せない場合、EUの既存の措置も追加措置も7月14日に自動的に発効することになる。それより早い可能性もある」とした。
鉄鋼関税引き上げについては、世界中の貿易相手国からの抗議の声が上がっている。カナダの商工会議所は、関税引き上げは「北米の経済安全保障に反する」と非難。オーストラリアのファレル貿易相は「不当であり、友好国の行為ではない」と述べた。
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