ADHDの臨床心理士が指摘、悩みを生む「5つの悪い癖」、解決のための「4つのステップ」(FRaU)

みなさんは「整理整頓」が得意だろうか。 整理整頓とは部屋の中だけではない。頭の中のとっちらかったものを整理整頓しないと、わけわからなくなったりしないだろうか。 【マンガを読む】「片づけられない女」の「も・じ・せ・か」を見ると… 臨床理心理士の中島美鈴さんは、もともと自身が「片付けられない女」だなと感じたところから、ADHDを自覚したという。ADHDは注意欠陥・多動症といわれるだけあって、いろんなことを考えてとっちらかってしまう面もある。しかし中島さんは頭の中を整理して順番に決めていくという認知行動療法の「意思決定法」がわかっていれば、物事がうまくいく可能性が高いというのだ。自身の体験と専門知識をもとにそれをまとめたのが6月に出版された新刊『マンガで挑戦 とっちらかった頭の中を整理して決められる人になる』(中島美鈴/あらいぴろよ、主婦の友社)だ。 洗濯機の買い替えから、片付け、人間関係、転職、子どもの進路選択まで、このテクニックを知っていると、自分のやりたいことがみえて、決められる人になれるという。著者で臨床心理士の中島さんにインタビューした前編に続き、今回は意思決定の具体的な例を伺い、お伝えする。 【中島美鈴】1978年福岡生まれ、臨床心理士。公認心理師。心理学博士(九州大)。専門は認知行動療法。九州大学大学院人間環境学府博士後期課程修了。2014年に中島心理相談所を開設。肥前精神医療センター、東京大学、福岡大学などの勤務を経て、現在は九州大学大学院人間環境学府にて学術協力研究員、肥前精神医療センター臨床研究部非常勤研究員。

ADHDの患者と接したり、自分自身がADHDと指摘されたりする中、臨床心理士の中島美鈴さんは、「時間管理」の重要性を提案してきた。 「でも、時間管理という、タイパを良くする介入だけでは解決できない問題がたくさんあった。転職したいけどどういう職種が自分に向いているかわかりません、部屋を片付けたいけどやり方がわからない……。つまり、 意思決定ができないという問題を抱える方が多いんです。 新刊は、意思決定というところに切り込みました。 意思決定のプロセスは、心理学では正式には七つあるんですが、これを簡単に四つのプロセスにしてみました」 も……問題の明確化 じ……情報収集 せ……選択肢の作成 か……価値判断 中島さんは頭の中を整理するために、頭文字をとって“もじせか”というステップを提案している。中島さん自身、 仕事と子育てをする中で、さまざまな意思決定をしてきた。 「例えば大学院時代は、時間は限りのある資源だから、何をしないかを決めないと回せないから、自炊はしないとか、決断をしていました。 専門性と、そうした自分の体験とを組み合わせて生まれたメソッドです。意思決定とか問題解決というプロセスは、1950年代から経済学や心理学の分野で言われてきました。自由に決めていいと言われる現代では、決める方法を教えてあげないと、とっちらかってしまいます」 ADHDの患者にセラピストが優先順位を聞き出して明確化しながら、支援するケースは多いそうだが、“もじせか”の4ステップを使うと、自分自身で頭を整理できる。

FRaU
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