“最小のインスタントカメラ”はポラロイドの撮影体験をどう変えたか 「Polaroid Go Gen 3」レビュー(1/4 ページ)
スマートフォンで撮る写真が、十分すぎるほどきれいで、手軽な時代になりました。それでもなお、私たちがわざわざアナログのカメラを手に取り、シャッターを切る理由とは何でしょうか。
その答えは、おそらく「撮影を巡る体験」そのものに面白さを見いだせるかどうかにかかっています。“デジタル疲れ”なんて言葉も広がる中、Z世代を中心にアナログへの回帰が進んでいるといわれますが、自分の手で“瞬間を物質として残す”という行為には、改めて特別な価値が宿っていると思います。
そんな時代に寄り添うように登場したのが、世界最小のアナログインスタントカメラの最新モデル「Polaroid Go Generation 3」です(以下、Polaroid Go Gen 3)。
Polaroid Goシリーズは、手のひらに収まる極小サイズのポラロイドとして人気を博してきましたが、今回の「Gen3」はまさに第3世代と呼ぶにふさわしい完成度に達しています。
本体サイズは約106.5(幅)×83.8(高さ)×64.6(奥行き)mm、重さは約340gと、まさに手のひらに収まるコンパクトさです。レンズはポリカーボネート樹脂製の固定焦点式で、焦点距離は63.75mm。シャッタースピードは1/500秒~1秒、絞りはF14.4またはF32の2段切り替え式です。
フラッシュは真空放電管式。充電はUSB Type-C対応で、1.2mのケーブルが付属します。また、セルフタイマーや二重露光モードも搭載しており、コンパクトなボディにしてクリエイティブな撮影機能を一通り備えた仕様になっています。
中でも光学システム(レンズ)とフラッシュ性能は大幅に改良されました。実際に撮影してみて驚かされるのが、描写の「シャープさ」が増したこと。これまでの極小インスタントカメラにありがちだった、どこかピントが甘く全体的にモヤッとした写りから一歩抜け出し、被写体の輪郭がすっきりと立ち上がるようになりました。近距離撮影性能の最適化に注力したと語るだけのことはあります。なお、このPolaroid Go Gen 3ではフラッシュはデフォルトでオンになっており、これも近距離撮影の設計思想の現れとなっています。
さらに、自撮り(セルフィー)が圧倒的に撮影しやすくなっています。カメラ正面に搭載されたミラーのおかげで、「撮られる自分が見える」ので、フレーミングに迷うことがありません。旅先やイベントで、友人や家族と一緒にサッと自撮りをするのが、これまでにないほど実用的で楽しくなりました。
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さて、冒頭でも触れたように、スマホ写真がこれだけ普及した現代において、わざわざアナログで写真を撮る理由は、やはりその「撮影体験」にあります。
ポラロイドにおける極上の体験とは、シャッターを切った後に訪れる「2つの時間」に集約されていると私は思います。1つめは、シャッターを切ってカメラから吐き出された真っ白なフィルムを手に、画像がじわじわと浮かび上がってくるのを待つ「10分間」です。何が写っているのか、うまく撮れているのか、期待と少しの緊張感が混ざり合うこの時間は、デジタルカメラの液晶モニターを即座に確認する行為とは全く異なる、贅沢な時間です。
そして2つめは、一夜明けて、色が完全に定着した実物のプリントを見たときに、思わずニヤニヤしてしまう「翌日の時間」です。ポラロイドの化学反応が落ち着き、独特の淡く、温かみのある色彩が完成したとき、その写真は単なる画像ではなく、かけがえのない「思い出の物質」へと変化します。この2つの時間があるからこそ、私たちはポラロイドに魅了され続けるのです。
現在、ポラロイドのラインアップは非常に充実しています。ハイエンドモデルの「Polaroid I-2」から、クラシックな「Now+」「Now」、そしてこの「Go」まで、ユーザーの目的や予算に合わせて選べる環境が整っているのはうれしい限りです。
その中でもPolaroid Go Gen3は、本体価格が1万6880円、フィルムが2パック(16枚入り)で3980円と、ポラロイドの世界へ飛び込むための入門機として、最も手頃で最適な選択肢となっています。
現在、世界的にポラロイドフィルムの人気が過熱しており、日本でも若干の供給不足が続いています。しかし、日本での販売代理店であるVISTAL VISIONからは、「フィルムの供給、がんばります!」という非常に頼もしい言葉も聞かれました。これなら、安心してこの新しいカメラで撮影を楽しめそうです。
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