スマートグラス顔認識の報道に激怒のMeta、世間から問われる「ノンデリさ加減」
Metaがどさくさに紛れて自社のスマートグラスに顔認識機能の追加を検討しているという話の続報。
すでにスマートグラスの映像ダダ漏れ問題が発覚し、「スマートグラスのプライバシー問題ってどうなってんの?」と世間が不安に陥るなかで、よりによって顔認識機能をつけるって流れになっちゃうのが最悪のタイミングに思えましたが…。
Metaとしては、3歩進んで2歩下がる状況のようです。というのも、めっちゃめちゃ進めたいけど、世間の反応も気にしているようで…。
顔認証機能「NameTag」
6月のはじめに、Wiredが、Meta AIアプリの中で顔認証に関すると思われるコードを発見。機能のコードネームは「NameTag」であると報じました。
NameTagは、スマートグラスに搭載されているカメラを使って人の顔を検出、見分ける機能です。
カメラが検出した顔に、その人に紐づける生体情報(指紋登録の顔バージョンみたいなもの)を発行し、端末に保存。次に会うときは、スマートグラスがこの情報から「〇〇さん」と認識し、ユーザーに「〇〇さん来てるよ!」と通知を飛ばしてくれるとかなんとか。
発見&報道時、このコードはアクティブ状態ではなかったものの、Wiredがチェックをお願いした専門家によれば、GOサインさえ出ればほぼすぐにでも使える状態にはあるとのこと。
また、この情報(NameTag)が保存されるのはユーザーの端末(スマートグラス)であって、Metaのサーバーには送られないということでした。
Meta激オコ!
この報道の影響なのか、その後、Metaは顔認証の該当コードをデータデータから削除。Wiredの報道がアメリカ現地時間で6月4日。Metaによるコード削除はその翌日の5日でした。
削除自体は静かにこっそり行われたものの、中の人はどうにもこっそりできなかったみたい。削除と同日の6月5日、Metaのコミュニケーション部門VPのAndy Stone氏はXを更新。
同氏はこのポストで、「Wiredは、記事の4段落目まで機能がアクティブ状態にないことに触れていないし、16段落目までこれがまだ調査段階であり実装予定がないことにも触れていない。さらに10段落目まで、専門家による『消費者には非公開』という解説にも触れていない」と指摘。あいまいな報道で知識として不誠実、クリック稼ぎの記事だとして強く批判しました。
さらにMetaのCTOであるAndrew Bosworth氏もこれに反応。Wiredの記事は非常に紛らわしく、不誠実だとコメントしています。つまりMetaの中の人たち、激オコなのであります。
ちがう。たぶん、そこじゃない
あくまでもテスト中であり、アクティブ状態にない機能のコードを、あたかも「すぐできちゃう」みたいな感じで報道するなんて!とMetaは怒っているわけで、中の人からしたら、事実と違う!ということなのでしょうが…。
たぶん、消費者側の心理としては、そこじゃないんです。
スマートグラスの映像が漏れていた問題の明確な解決策がないまま、なし崩し的に前進していく姿勢に消費者は不信感を抱いているのです。大事なのは、機能が使える状態かテスト中かどうかではなく、スマートグラスが周囲の人へどう配慮されるのか、その不安払拭の兆しが、まったく出てきていないってこと。
顔認証される側の同意は? 撮影中であることが明確にわかる機能は?
Metaはスマートグラスの顔認証機能について、「配慮あるアプローチ」をとると、過去に語っていましたが、彼らの言う配慮あるアプローチってなんでしょう…。
今回の報道にあった「端末内処理」はひとつの答えとも言えるでしょう。しかし、だからいいじゃん?という態度では、社会がセンシティブに感じるトピックの取り扱いとしてはデリカシーがありません。
そう、今のMetaが本当に問われているのは、Meta自身のノンデリさ加減なのですよ…。