「小泉総裁」なら女房役は…うんざり人事話より「テッセイ」って何だ⁉ 花田紀凱の週刊誌ウォッチング(1046)

総裁選挙公開討論会でスローガンを披露する左から小林鷹之元経済安保担当相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保担当相、小泉進次郎農水相=23日午後、党本部(春名中撮影)

自民党総裁選、永田町では早くも「小泉進次郎で決まり」の声が。

で、『週刊新潮』(10月2日号)は「自民党総裁選の内幕」として、「早くも小泉新総裁で囁(ささや)かれる 『人事』『連立』『総選挙』」。

<「菅氏はもとより、決選投票では麻生氏や岸田文雄前首相(68)といったほかの重鎮も小泉氏支持に回り、麻生派や旧岸田派を取りまとめると見られています」(政治部デスク)>

党内は人事の話題でもちきり。

<「加藤氏は何の見返りもなく選対本部長は受けないはず。幹事長の最有力候補です。齋藤健前経産相(66)は官房長官、木原氏も党三役入りが有力視されています。また、かねて茂木氏は財務相ポストを狙っている」(同)>

問題は高市早苗氏の扱いだという。

『週刊文春』(10・2)は「自民党総裁選茶番劇の舞台裏」として「証拠メール入手 進次郎卑劣ステマを暴く!」など3本。

『新潮』を読んだ後では興味半減だ。

それに「進次郎卑劣ステマ」と決めつけるが、小泉応援団の一議員のメール。羊頭狗肉と言うべきだろう。

「テッセイ」という会社をご存じだろうか。正式な社名は「JR東日本テクノハートTESSEI」。

新幹線車両の清掃会社で売上高40億円、従業員790人。

『ニューズウィーク日本版』(9・30)の大特集「ハーバードが学ぶ 日本企業の輝き」で、トヨタや虎屋と並んで紹介されている。<東京駅のホームに新幹線が到着して、再び出発するまでの7分間で、従業員たちが全車両を完璧に清掃する姿は「7分間の奇跡」としてたたえられ、CNNなど海外メディアで大きく報道された>

同社独特の制度が<同僚の頑張りやいい点を報告する>リポート。

<07年に年間1100件ほどだったリポートが今は約1万9000件。リポートされた、つまり同僚から褒められた社員は95%に上る>

米動画配信大手「ネットフリックス」がWBCの独占放送権を獲得したというニュースにはがっかりしたが、それにひっかけて『新潮』が「赤字754億円、海外従業員3400人削減 ガリバー『電通』の失敗と変貌」。

こういう記事が掲載されること自体が、電通の弱体化を物語っている。

(月刊『Hanada』編集長)

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