波乱含み、FRB議長講演を消化 米エヌビディア決算に目線=来週の東京株式市場

 8月22日、来週の東京株式市場は、高値波乱含みが想定されている。前半は、日本時間22日夜に予定される年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言の消化が進むとみられる。2020年10月、東京証券取引所で撮影(2025年 ロイター/Issei Kato)

[東京 22日 ロイター] - 来週の東京株式市場は、高値波乱含みが想定されている。前半は、日本時間22日夜に予定される年次経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」でのパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長発言の消化が進むとみられる。週半ば以降は、米半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabの決算(27日)が相場の方向感に影響しそうだ。日米ともに株価は高値圏にあり、イベント通過後には利益確定売りが出やすい一方、9月連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げへの期待が継続すれば下値の支えも見込まれる。

日経平均の予想レンジは4万1500円─4万3500円。

これまで米国での9月利下げの思惑が株高を後押ししてきており、パウエル議長の発言を通じて確信の度合いが強まるかどうかが、週前半の地合いを左右するとみられる。市場では「足元で9月の利下げ織り込みが低下してきている。(講演内容が)ハト派の場合、多少は上値余地がありそうだ」(しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹シニアファンド・マネージャー)との声が聞かれる。

エヌビディア決算では引き続き、継続的な利益成長が確認されるかが焦点となる。岩井コスモ証券の斉藤和嘉シニアアナリストは「台湾積体電路製造(TSMC)の月次売上高は力強い水準が継続しており、トレンドは右肩上がり」との見方を示す。TSMCはエヌビディアの半導体を製造することで知られる。

市場では、決算数字が市場の期待を上回るかどうかや、次世代半導体「ルービン」の開発進捗、中国向けAI(人工知能)半導体の生産・販売状況などにも関心が寄せられている。

エヌビディアの関連株と目されるアドバンテスト(6857.T), opens new tabやソフトバンクグループ(9984.T), opens new tabの株価動向にも目配りが必要になる。日経平均への寄与度が高い銘柄群の一角でもあるだけに、指数にインパクトを及ぼす可能性がある。

いずれのイベントも、ポジティブ材料になる場合、日経平均は再び最高値に向けた流れが意識されそうだが、高値警戒がある中では「上昇の勢いが直近の高値まで続かなければ、いったん出尽くしとなり、売りに転じるリスクもある」(しんきんAMの藤原氏)との声も聞かれる。

ネガティブ材料が出て株安になる場合や出尽くしの場合、下値では企業による自社株買いや買い遅れた投資家の買いが支えになるとの見方がある。米国での9月利下げへの思惑が継続すれば、短期的な調整にとどまる可能性がある。

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