習慣が身につくまで「最低10週間」。21日で挫折しないための考え方(ライフハッカー・ジャパン)
新しい習慣を手に入れるのは、簡単ではありません。 日々のルーティンに新しい行動を組み込み、しばらく続ける。やがて意識しなくても体が動くようになる。少なくとも、それが理想でしょう。 ですが現実には、そこに至るまで意図的な努力が要ります。では、習慣が定着するまでにどれくらいかかるのか。ライフハック界隈でよく聞く「21日」は、実はあまり当てになりません。 必要な日数は、習慣の内容、その人の性質、そして続け方によって変わります。科学的な見積もりも、短ければ21日、長ければ8カ月以上と大きく幅があります。なぜこれほど差が出るのか、そしてどうすればスムーズに習慣を築けるのかを見ていきましょう。 「21日で習慣化できる」という神話の正体 「習慣化には21日かかる」という説の元ネタは、マクスウェル・マルツという外科医にさかのぼります。 著者のジェームズ・クリアー氏が書いているように、マルツ医師は、切断手術や美容整形を受けた患者が自分の新しい身体に慣れるまでに約3週間かかるようだ、と観察しました。 この外科医の考えは、「人が自分自身の『精神的イメージ』を解体し、再構築するには21日かかる」というものでした。 これは研究によって裏付けられたものではなく、あくまで一人の医師の感覚にすぎません。ですが、私たちの体験談にしっくりくる部分があるからこそ、広く信じられてきたのだと思います。
科学的な研究では、習慣が「本当に無意識でできるようになる(自動化する)」までにどれくらいの時間がかかるかが測定されてきました。 たとえば、ある研究では、参加者に自分で決めた習慣を1日1回行う行動(例:「昼食時に果物を1個食べる」など)に紐付けてもらいました。実験期間は12週間です。参加者のうち数週間で新しい習慣が自動化されたと感じた人もいれば、実験が終わる12週間が経ってもそこまで到達しなかった人も大勢いました。 研究者は、ほとんどの人が自動化に至るまで「2ヶ月から8ヶ月」かかると結論づけました。ただし、この計算モデルが当てはまったのは参加者の約75%(62人)でした。 この「2ヶ月から8ヶ月」というのはかなり幅広い範囲ですし、モデルに当てはまらなかった残りの人々が、果たして最終的に自動化の域に達したのかどうかは分かっていません。 また、研究者たちは「水を飲む」といったシンプルな習慣のほうが、「腹筋を50回する」といったより難しく複雑な行動よりも早く自動化されることも明らかにしています。 2012年のレビュー論文では、他の複数の推定値を分析した上で、新習慣が自動化するまでには「少なくとも10週間」かかると予想しておく方が現実的だと結論づけています。同時に、「長く続ければ続けるほど、どんな習慣もどんどんラクになっていく」と知っておくだけでも大きな助けになると伝えています。 論文の著者らは、21日で習慣ができると期待してしまうと途中で挫折しやすくなるため、むしろ「2〜3ヶ月間、意識的に新しい行動へ取り組むことによる成果」に意識を向けるべきだと指摘しています。