敗れてもあっぱれ! ベッツェッキ、マルケスとの大激戦は「間違いなく人生最高のレースのひとつ」

 アプリリアのマルコ・ベッツェッキは、MotoGPサンマリノGP決勝でマルク・マルケス(ドゥカティ)と一進一退の優勝争いを演じた。惜しくも敗れたものの、ベッツェッキは自身にとって最高のレースのひとつだったと語った。

 決勝レースのスタート直後から、このレースはベッツェッキとマルケスのふたりの一騎打ちになることが明白だった。ポールシッターのベッツェッキがレースを引っ張り、4番グリッドから好スタートで一気に2番手に浮上したマルク・マルケスがそれを追った。

 レース中盤、ベッツェッキはブレーキングでミスをしてラインが膨らみ、マルケスにオーバーテイクする隙を与えてしまった。これで勝負は決したかに見えたが、ベッツェッキは懸命に追い上げ、レース終盤までマルケスの直後を走った。

 特にレース終盤は、互いに限界までプッシュ。ファステストラップを叩き出し合い、一進一退の攻防を展開した。圧倒的なパフォーマンスでシーズンを支配してきたマルケスが、これほど全力を振り絞ったのは今季あまり見られなかった光景だ。

 最終的にはマルケスが逃げ切り、シーズン11勝目をマーク。次戦日本GPでチャンピオン獲得を決定する可能性を大きく手繰り寄せた。

 ベッツェッキはホームレースで2位に終わったものの、MotoGPキャリアで最高のパフォーマンスの一つを発揮できたことに満足していた。

「勝利を除けば、おそらくこれが人生最高のレースだった。ポールポジションを獲得し、スプリントレースで勝利し、グリッド最強のマルクに迫る2位……全力を尽くした。今は疲れ切っているよ」

「ファンの皆さんが楽しんでくれたら嬉しい。彼らのために全てを捧げたから。ファンの皆さん、そしてバレンティーノ・ロッシのアカデミーに感謝する」

Marco Bezzecchi, Aprilia Racing, Alex Márquez, Gresini Racing, Marc Márquez, Ducati Team

Foto de: Gold and Goose Photography / LAT Images / via Getty Images

 その後ベッツェッキは、DAZNのインタビューでもキャリア最高のレースのひとつだったと繰り返した。

「勝利を除けば、間違いなく最高のレースの一つだった。感情的には勝利の方が価値があるから。全体として、信じられない週末だった」

「優勝を強く夢見ていた。残念ながら叶わなかったが、自分を責めるところは何もない。全て完璧だった。限界までプッシュした。マルクもおそらくそうだっただろう。素晴らしい戦いだった」

 マルケスに首位を明け渡したブレーキングミスについて、タイヤに苦しんでいたとベッツェッキは説明した。

「残念ながら、特にブレーキング時にリヤタイヤで苦しみ始めた。(スプリントで使った)ソフトタイヤと比べて、ミディアムタイヤに苦しんでいたんだ。それがバイクで感じた唯一の違いだ。ミスを犯し、ターン8で少しラインを外し、マルクに抜かれた。二人とも限界状態だった。彼はいつも通り圧倒的に強かった」

 レース中、ベッツェッキのバイクからはフロントアクスル周辺の空力パーツが脱落。しかし幸いにもパフォーマンスにはあまり影響はなかったようで、本人も指摘されるまでパーツの脱落に気づいていなかったようだ。

「正直、気づかなかった。バイクの調子が悪いとも思わなかった。レース中は様々なことが起きるから、27周の間にバイクの状態は変わるものだ」

「あれが何だったかは分からない。データを分析して問題だったか確認する必要はあるけど、レースに影響したとは思わない。1秒遅くなったわけじゃないからね」

 今季終了までに、マルケスを自力で倒せるかと問われると、ベッツェッキは挑戦する意思を明確にした。

「もちろん、それは僕たちが自らに課すべき目標だ。毎週末、最大限の可能性を発揮しようと努めている。つまり、こうしたレースを続けることで、さらに一歩前進する原動力となるんだ」

「非常にやる気に満ちており、日本でのレースを心から楽しみにしている。家に帰りたくもないくらいだ」

「つまり、(マルケスを倒す)意志と意欲は確かにある。努力を続けなければならない。簡単ではないだろう。より困難な日々も訪れるだろうけど、僕たちは決して諦めない」

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