【欧州市況】関税交渉期限迫りリスクオフ、債券買われる-株は下落

Sagarika Jaisinghani、Indy Scholtens

4日の欧州債券市場は、ドイツの短期債が相対的に堅調な動きを見せた。

  ドイツ2年債利回りは、一時3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下して1.80%となり、6月13日以来の低水準を記録した。米国の関税への懸念がリスクセンチメントを圧迫する中、安全資産に資金が流入した。10年債利回りも1bp低下し2.60%となった。

  短期金融市場では、欧州中央銀行(ECB)による利下げ観測が強まり、年内まで織り込み済みの利下げ幅は、27bpと前日から1bp拡大した。

  英国債は軟調で、イールドカーブ全体で利回りが約1bp上昇した。

  欧州株は、9日の関税発動期限を前に、米国と欧州連合(EU)通商協議の先行き不透明感が続く中、週次ベースで下落した。

  ストックス欧州600指数は一時0.9%安となったが、0.5%安で取引を終えた。トランプ米大統領が、8月1日から発効する新たな関税について、貿易相手国への通告を近く開始すると述べたことが重しとなった。

  ブルームバーグは、米国とスイスの通商合意の草案で、米国が進めている国家安全保障を理由とする調査で、スイスが優遇措置を受け、医薬品輸出での関税を免れる条項が盛り込まれる方向と報じた

  これを受け、スイスの製薬大手ノバルティスが1.4%、ロシュが0.9%それぞれ上昇した。一方で、貿易の影響を受けやすい鉱業株や自動車株が下落し、景気変動の影響を受けにくいヘルスケアや通信株が相対的に堅調だった。

7月4日の欧州マーケット概観(表はロンドン午後6時現在)

株 終値 前営業日比 変化率 ストックス欧州株600 541.13 -2.63 -0.48% 英FT100 8,822.91 -0.29 0.00% 独DAX 23,787.45 -146.68 -0.61% 仏CAC40 7,696.27 -58.28 -0.75% 債券 直近利回り 前営業日比 独国債2年物 1.82% -0.02 独国債10年物 2.61% -0.01 英国債10年物 4.55% +0.01

原題:German Curve Steepens as Front-End Outperforms: End-of-Day Curve、European Stocks Post Weekly Drop With Focus on US Trade Deals (抜粋)

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