BRICS首脳会議、米・イスラエルを非難-イラン攻撃とガザ対応で
- 10カ国に増えたBRICS、共同声明で軍事費拡大も「警戒」を表明
- 一方的な関税賦課と非関税措置にも言及、米国は名指しで批判せず
主要新興国グループ「BRICS」の首脳会議は、米国とイスラエルによるイラン攻撃を非難する共同声明を採択した。イスラエルのネタニヤフ首相にパレスチナ自治区ガザからの部隊撤退を訴え、中東全域の紛争に「公正で恒久的」解決をもたらすよう促した。
ブラジルで開かれた首脳会議が6日発表した共同声明は、BRICSメンバー国であるイランへの攻撃を糾弾した。イランへはイスラエルが6月13日に攻撃を開始し、その9日後に米国が空爆を実施した。
共同声明はイラン攻撃について「国際法と国連憲章に違反する」と言明。「占領下にあるパレスチナ自治区の現状に深い憂慮」を示し、具体的にはイスラエル軍による攻撃と人道援助の搬入妨害を挙げた。全ての人質解放と共に、恒久的かつ無条件の停戦を呼び掛けた。
国連安全保障理事会など国際機関も同様の文言で、中東やアフリカ、欧州での軍事紛争に対する平和的解決を促している。BRICS首脳会議は米国を名指しで批判しなかったものの、7日にホワイトハウスでトランプ米大統領と会談を予定するネタニヤフ首相は、歓迎できない干渉と受け止める可能性が高い。
南アフリカのラマポーザ大統領は冒頭お演説で、「イスラエルと米国による最近のイラン攻撃は、国家の主権や領土保全、民間人保護における国際法順守という点で深刻な懸念を抱かせる」と述べた。
共同声明はさらに「世界的に軍事支出が著しく増加している」現在の傾向についても「警戒」を表明した。
一方的な関税賦課と非関税措置にも触れ、「貿易をゆがめ、世界貿易機関(WTO)ルールと整合しない」と批判。ここでも米国を名指しにはしなかった。
当初はブラジルとロシア、インド、中国、南アを意味したBRICSは、最近ではインドネシアとエチオピア、アラブ首長国連邦(UAE)、イラン、エジプトを迎えてメンバー国を拡大。米欧が長らく支配してきた国際舞台での影響力増強を目指している。
原題:BRICS Leaders Condemn Attacks on Iran, Tell Israel to Leave Gaza(抜粋)