話題株ピックアップ【夕刊】(2):オエノンHD、ユアテック、アニコムHD
オエノンHD <日足> 「株探」多機能チャートより
■ユアテック <1934> 2,479円 +66 円 (+2.7%) 本日終値
ユアテック<1934>が後場に入り急上昇。午後0時30分ごろに発表した第1四半期(4~6月)連結決算が、売上高559億9500万円(前年同期比14.3%増)、営業利益21億2700万円(同4.3倍)、純利益8億3500万円(同46.7%増)と大幅増収増益となったことが好感された。主力の設備工事業で、配電線工事や発変電工事が増加したことに加えて、原価管理の徹底による工事採算性の向上が売上高・利益を押し上げた。なお、26年3月期通期業績予想は、売上高2670億円(前期比3.8%増)、営業利益167億円(同3.2%増)、純利益122億円(同1.8%増)の従来見通しを据え置いている。■アニコムHD <8715> 770円 +18 円 (+2.4%) 本日終値
アニコム ホールディングス<8715>が続伸。29日の取引終了後に関東財務局に提出された変更報告書で、米投資ファンドのダルトン・インベストメンツによる株式保有割合が5.08%から6.31%に上昇したことが判明。これを受けて需給思惑的な買いが入ったようだ。保有目的は長期的保有で、また状況に応じて重要提案行為などを行う可能性があるとしている。なお、報告義務発生日は7月22日。■JR東海 <9022> 3,488円 +56 円 (+1.6%) 本日終値
JR東海<9022>は年初来高値を更新した。29日取引終了後に4~6月期連結決算を発表し、売上高は前年同期比9.9%増の4782億8300万円、純利益は同21.2%増の1452億1100万円だった。東海道新幹線、在来線ともに利用が好調だった。大阪・関西万博の開催を踏まえて需要に合わせた弾力的な列車設定を行ったほか、関西方面の旅行商品を拡充するなど各種施策を展開したことが奏功した。通期で増収減益を見込んでいるだけに、今回の決算がポジティブサプライズとなる形で買いを呼び込んでいる。■ソシオネクスト <6526> 2,850円 +41.5 円 (+1.5%) 本日終値
ソシオネクスト<6526>が反発。この日、先進運転支援システム(ADAS)分野で最先端のソフト・ハードウェアIPを提供するハンガリーのエーアイ・モーティブ社とライセンス契約を締結したと発表したことが好感された。今回の契約締結により、ソシオネクスはエーアイ・モーティブ社の「aiWare」のIP及び開発ツールを利用し、チップレット技術に基づく車載ADAS用次世代カスタムSoC(システム・オン・チップ)のテープアウトまで含む開発を行う。これにより、ソシオネクスの自動車向けソリューションのより幅広い提案が可能になることが期待されており、買いにつながったようだ。■住友理工 <5191> 1,870円 +25 円 (+1.4%) 本日終値
住友理工<5191>は後場一段高。2007年12月以来、17年7カ月ぶりの高値水準をつけた。同社はきょう正午、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算にあわせて、通期業績予想の修正を発表。利益予想を引き上げており、これを材料視した買いが入った。今期の営業利益予想はこれまでの374億円から384億円(前期比7.6%減)、最終利益を195億円から205億円(同25.2%減)に引き上げた。米国の関税措置の影響が想定を下回り、利益を押し上げる。一方、売上高予想はこれまでの6200億円から6150億円(同2.9%減)に引き下げた。円高により海外子会社の円貨での売上高が減少する。更に、米国の高関税措置により増加するコストについて顧客への価格転嫁の前提を見直したことなども業績予想に反映した。また、中間配当予想を従来の見通しから19円増額した一方、期末配当を16円減額。年間配当予想は3円増額の60円(前期は66円)に見直した。4~6月期は売上高が1547億8300万円(前年同期比1.8%減)、営業利益が96億3300万円(同7.1%増)、最終利益が57億6300万円(同2.7%減)だった。■ヒューリック <3003> 1,434円 +19 円 (+1.3%) 本日終値
ヒューリック<3003>が3日ぶりに反発。大和証券は29日、同社株の投資判断「1」と目標株価1850円を継続した。同社は28日に決算を発表し、第2四半期累計(1~6月)の連結営業利益は前年同期比8.8%増の750億5500万円となった。25年12月通期の会社計画(1780億円)に対する進捗率は42.1%と前年同期並みで堅調。上期ではホテルに加え賃貸および売却が寄与、下期はホテルの開業費負担などが増加するものの売却が寄与すると予想。同証券では25年12月期の同利益を1800億円、26年12月期は1970億円と見込んでいる。■INPEX <1605> 2,125円 +13.5 円 (+0.6%) 本日終値
INPEX<1605>やENEOSホールディングス<5020>が続伸。29日の米原油先物相場はWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の9月限が前日比2.50ドル高の1バレル=69.21ドルと上昇。米中の閣僚級会議で一時停止中の関税措置について、トランプ米大統領による承認を前提に90日間延長する方針が確認されたことで、世界経済の減速懸念が後退したことが好感された。また、同大統領はウクライナとの停戦交渉でロシアが8月8日までに合意しなければ追加制裁を科す方針で、ロシアから石油やガスなどを購入した国に100%の関税をかけることを表明している。米国が追加制裁に踏み切った場合、ロシア原油の供給に影響が出ることが予想されることも原油価格の上昇要因となっている。■シマノ <7309> 16,425円 -5,000 円 (-23.3%) ストップ安 本日終値 東証プライム 下落率トップ
シマノ<7309>がストップ安。29日の取引終了後、25年12月期の連結業績予想について、売上高を4700億円から4600億円(前期比2.0%増)へ、営業利益を700億円から460億円(同29.3%減)へ、純利益を638億円から305億円(同60.0%減)へ下方修正したことが嫌気された。中国市場の在庫調整が長期化し生産調整をしていることに加えて、諸経費の上昇による利益率の低下が見込まれることが要因としている。また、ドル安の進行に伴うアジア通貨高の影響で為替評価損などの営業外費用が増加することも響く。なお、同時に発表した6月中間期決算は、売上高2374億900万円(前年同期比9.5%増)、営業利益281億2300万円(同9.2%減)、純利益39億6100万円(同90.9%減)だった。自転車、釣り具への関心は続いているものの、各種経費が増加していることに加えて、為替評価損の計上などが利益を圧迫した。■大阪製鐵 <5449> 2,452円 -403 円 (-14.1%) 本日終値
大阪製鐵<5449>が後場に急落。同社は30日午後1時、26年3月期第1四半期(4~6月)の連結決算発表にあわせ、通期の業績予想を修正した。今期の最終損益予想について、これまでの14億円の黒字から8億円の赤字(前期は32億2700万円の黒字)に見直した。一転して最終赤字の計画となったほか、未定としていた年間配当予想は無配(同34円)とし、失望売りを促したようだ。売上高予想は従来の見通しから150億円減額し、1050億円(前期比9.8%減)に下方修正した。主要需要先の建設業界での需要低迷を背景に、出荷量が計画を下回って推移しており、鋼材需要の回復には時間を要すると判断。影響を業績予想に反映した。第1四半期の売上高は前年同期比18.5%減の257億7100万円、最終損益は14億8500万円の赤字(前年同期は23億1700万円の黒字)となった。 株探ニュース