アメリカ遠征でバイエルンCBとも初共演…貴重な刺激を首位鹿島に還元する25歳DFキム・テヒョン「優勝を語れる選手になりたい」(ゲキサカ)
[9.20 J1第30節 浦和 0-1 鹿島 埼玉] 鹿島アントラーズは2試合連続のクリーンシートで2連勝を飾り、5節ぶりの首位浮上を決めた。DFキム・テヒョンはフル出場で優勝争いに貢献。今月上旬には韓国代表のアメリカ遠征で2試合に出場し、代表チームでも大きな一歩を刻んでいたが、長距離移動と厳しい時差調整を乗り越え、Jリーグでも好パフォーマンスを続けている。 【写真】「送迎BBAです」“サッカーママ”の加藤ローサさんに称賛続々「可愛すぎ」「BBAじゃない!」 鹿島はこの日、過去7試合連続で引き分けていた浦和との名門対決に勝利した。試合後、キム・テヒョンは「7試合引き分けという結果があった上で必ず勝ちたい気持ちがあった。偉大な鹿島サポーターの声援のおかげで勝つことができた」とサポーターに感謝。その上で自身のパフォーマンスについては「まだまだ足りない。このパフォーマンスで満足すると優勝を語れない選手になる。優勝を語れるような選手になりたいし、そのために必死で練習することが大事」と気を引き締めていた。 キム・テヒョンは2022年、蔚山現代からJ2の仙台に加入し、以降Jリーグでプレーしてきた25歳の左利きDF。昨年、鳥栖への移籍でJ1デビューを果たすと、今季から鹿島に完全移籍し、シーズン途中からCBの主力に定着した。その活躍が評価され、今年7月にはEAFF E-1選手権で韓国代表デビュー。9月のアメリカ遠征で欧州組に食い込み、初戦のアメリカ戦(◯2-0)では後半38分からの途中出場、第2戦・メキシコ戦(△2-2)は先発フル出場でアピールしていた。 またアメリカ遠征後には代表選手の宿命と言えるリーグ戦との連戦も経験。アメリカ戦は日本時間7日朝に時差-13時間のニュージャージー、メキシコ戦は同10日朝に時差-14時間のナッシュビルで開催されており、13日の前節・湘南戦(◯3-0)までは厳しい過密日程にあった。 それでもキム・テヒョンは「自分一人のせいでチームを崩してしまうことはあり得ない」と懸命に適応。「チームが目標としている優勝に向けてもそうですし、その環境の中でパフォーマンスを維持するのは代表選手だと思っているのでしっかりとやっていきたい」と強い決意を持ち、2試合連続の完封勝利につなげてきた。 さらに韓国代表の活動では大きな刺激も受けてきたようだ。「ヨーロッパの選手はこれくらいやっているんだというのをすごく感じたし、ヨーロッパでやっている選手の基準を考えると練習で100%以上、120%でやっていかないといけないと感じた」。韓国代表では鹿島とは異なる3バックで久々にプレーしていたが、それ以上に印象的だったのはバイエルン所属のDFキム・ミンジェの存在だったという。 キム・テヒョンが出場した2試合は、いずれもキム・ミンジェとの同時出場だった。「一番刺激になったのはキム・ミンジェ選手。彼はディフェンダーとして全てを兼ね備えている選手だなと思った。彼のパフォーマンスはもちろん、彼のようなマインドを学んでいきたいと思った」。アジアを代表するCBから学んだ姿勢は、下日本代表DF植田直通とタッグを組む鹿島でもきっと活かされるはずだ。 鹿島からは今月、GK早川友基も日本代表に選出され、同じくアメリカ遠征を経験しており、来年の北中米W杯では同時選出も期待される。「後ろに早川選手がいることが頼もしいし、自分が前に出る(ラインを上げる)ことに集中できる」というキム・テヒョンにとってもW杯同時選出は悲願。ただ、その近道は鹿島で高いパフォーマンスを維持し続けることだ。「W杯はまだ1年先の話なので鹿島のタイトルのために頑張っていきたい」。まずは目の前の舞台に全てを尽くし、来年夏の夢舞台を目指す。