ノーベル物理学賞、米国拠点の3教授に 量子コンピューターの基礎技術を発見

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スウェーデン王立科学アカデミーは7日、2025年のノーベル物理学賞を、米カリフォルニア大学バークリー校のジョン・クラーク名誉教授、米イェール大学のミシェル・H・デヴォレ名誉教授、米カリフォルニア大学サンタバーバラ校のジョン・M・マルティニス名誉教授に授与すると発表した。3人は、量子力学の研究を通じて、次世代の超高性能コンピューターの基礎を築いた。

ノーベル委員会は、「携帯電話、カメラ、（中略）光ファイバーケーブルなど（中略）今日使用されている先端技術の中で、量子力学に依存していないものは存在しない」と述べた。

イギリス・ケンブリッジ生まれのクラーク氏は、受賞の発表について、「控えめに言っても、人生最大の驚きだった」と語った。

フランス・パリ生まれのデヴォレ氏と、マルティニス氏を合わせた3人の授賞式は、12月10日にストックホルムで開かれる。賞金の1100万スウェーデンクローナ（約1億7000万円）は3人で分け合う。

ノーベル委員会は3人について、1980年代に行った電気回路を用いた一連の実験で、「電気回路における巨視的量子トンネル効果とエネルギー量子化の発見」という画期的な功績を収めたと評価した。

一般的に難解とされる量子力学の分野の中でも、この発見に至るまでの道のりは途方もないものだったとされる。

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しかし、その意義は奥深く、広範な影響をもたらしている。私たちの大半が使用する電子機器は3人の発見に依存している。また、超高性能コンピューターの構築にもこれが応用されている。

クラーク氏は受賞の知らせを受けた直後、電話で記者団に応じ、「これは量子コンピューターの発展につながるものだ。多くの人が量子コンピューティングに取り組んでいるが、私たちの発見は多くの点でその基盤となっている」と語った。

クラーク氏は、40年前に終えた自分の研究が科学界で最も権威ある賞に値することに、信じられない様子だった。

「本当に驚いている。私たちは当時、これがノーベル賞を受賞する根拠になるとは、まったく思っていなかった」

量子力学とは、極めて小さな世界での微小な物質の振る舞いに関するもので、電子のような粒子が原子よりも小さい亜原子の世界でどのように動くかを研究する分野。

クラーク氏とそのチームは、これらの粒子が従来の物理学では不可能とされていたエネルギー障壁を通り抜ける「トンネル効果」に注目した。

この量子「トンネル効果」を利用することで、電子はエネルギー障壁を通り抜けることができる。

3人の研究は、トンネル効果が量子力学の世界だけでなく、「現実世界」の電気回路でも再現可能であることを実証した。

この知見は、現代の量子チップの開発に活用されている。

英大学インペリアル・コレッジ・ロンドンの物理学副部長レスリー・コーエン教授は、「実に素晴らしいニュースで、当然の受賞だ」と述べた。

「彼らの研究は、量子技術における主要なハードウェア技術の一つの超伝導量子ビットの基礎を築いたのだから」