麻布十番で焼き肉、サウナ 連続強盗指示役、愛犬との「豪遊生活」
2024年8~11月に首都圏であった連続強盗事件は、指示役とされる4人の逮捕から2カ月がたった。
時に住人の命さえ奪われる凄惨(せいさん)な事件が繰り返された頃、「誰よりも金回りが良かった」(捜査関係者)と言われる人物がいる。
福地紘人容疑者(26)。
4人の指示役の一人とされ、東京・赤坂の高級マンションに暮らしていた。
親族や捜査関係者への取材からは、その「豪遊」ぶりと、事件にも生かされた人間関係が浮かび上がってくる。【菅健吾、朝比奈由佳、松本ゆう雅】
移動は「ほぼタクシー」
24年10月の夜、東京・神宮外苑付近を走る1台のタクシーがあった。乗っていたのが、タトゥーショップでの用事を終えたばかりの福地容疑者だ。
「入れ墨おわた(終わった)」
彼女にそうLINE(ライン)を送り、老舗ステーキハウスへと向かう。食事を済ませると、再びタクシーを呼び、今度は自宅に近い赤坂のペットホテルへと走らせた。
「移動はほぼタクシー。肉が好きなのか、彼女としょっちゅう高級焼き肉店やステーキハウスに行っていた」と、ある関係者は言う。
その9日前、横浜市青葉区で住人の男性(当時75歳)が強盗に押し入られ、暴行の末に命を落とす事件が起きていた。
赤坂のマンション、家賃30万円
捜査関係者によると、この事件の被害金が行き着いた先こそ、福地容疑者だったとされる。事件の陰で、その派手な暮らしぶりは仲間内でも群を抜いていたという。
自宅マンションの家賃は月30万円超。近所では、交際相手の女性と愛犬を散歩させる姿がよく見かけられていた。
全身をブランド服で固め、外出の度に配車アプリでタクシーを呼ぶ。行き先は、麻布十番のプライベートサウナや焼き肉店、六本木のキャバクラ。愛犬は、しばしば1泊1万円前後のペットホテルに預けられた。
「金回りは相当良かった」と福地容疑者を知る人物は明かす。
強盗や詐欺の「回収」担い
そうした生活を支えた金の一部は、事件で得たものだった。
一連の事件のうち、千葉県市川市であった強盗傷害事件の指示役として、警視庁などの合同捜査本部は25年12月、福地容疑者ら同学年の4人の男性を逮捕した。
福地容疑者の主な役割は、奪った金品の回収場所や方法の指図だったとみられている。
その手口は周到だ。
18件の事件では、2300万円相当の金品が奪われた。被害金は、複数の回収役が互いに顔を合わせないように受け渡された。
しばしば使われたのが、東京都練馬区にある築50年のアパートだ。1階の部屋の前に置かれたポストが、現金を出し入れする場所だった。
「強盗だけでなく、特殊詐欺で得た金もこのポストを経由して集められていた」と、ある捜査関係者は言う。
シーシャバーに舎弟呼びつけ
ポストから現金を回収する役目は、常に同じ人物が担った。実行役や回収役の大半は、「闇バイト」で集められた使い捨ての「駒」として扱われた。だが、この人物だけは福地容疑者が事件の2年ほど前から知る4歳年下の後輩だった。
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