【特別手記】阪神・佐藤輝明の弟・太紀「優勝、ほんまにおめでとう!」「成績を残しても、中身は変わってない」
阪神・佐藤輝明内野手(26)の実弟で独立リーグ堺シュライクスに所属する太紀(たいき)外野手(25)がリーグ優勝を祝福した。兄弟でのプロ入りを目指す中、「遠くに行きすぎて…」と率直な心境も語った。(取材・萩原翔)
優勝、ほんまにおめでとう! 今年の活躍は見ていて本当にすごいなって思っていた。成績もえらいよかったし、これからもどんどん成績を上げていってほしい。
プロに入ったときから「スケールの大きい選手」って言われていたけど、やっぱりそうなんやな…って今の姿を見て改めて思う。(プロ)2、3年目くらいまでは兄ちゃんの活躍がめっちゃ(僕自身に)刺激になっていたけど、最近はちょっと遠くに行きすぎて…。かけ離れた存在、もう知らない人みたいに感じるときもある。でもオフに会ったら普通の兄弟のように接していて、なんか不思議な感覚やな。
一緒に自主トレができているのは、めちゃくちゃありがたいこと。成長させてもらっている。技術の話は本当に参考になることばっかりやし、今年も僕のバッティングフォームを見て「前に突っ込みすぎてるで」とアドバイスをくれたよな。打撃フォームを見て勉強もさせてもらっているし、それだけではないけど、諸々含めて、今年独立(リーグ)で結果を出せたのは兄ちゃんのおかげが大きいかな。
佐藤太紀の直筆メッセージもらった練習着やグラブ、打撃用手袋は大事に使わせてもらっているよ。そうやって気にかけてくれているのはうれしいし、本当に助かっている。2年前に(ドラフト会議で)指名漏れして、独立リーグに挑戦するときも「頑張れよ」と声をかけてくれたよな。多くは言わんタイプやけど、そういった一言がありがたかった。
プロで成績を残しても、中身は正直変わってない。ずっと昔のまま。ただ、ひとつ言うとすると、マイペースさだけは年々ひどくなっている気がするけど…。
正直、僕が野球を始めたのも流れみたいなもんやけど、やっぱり兄ちゃんの影響は大きかったんやろな。2つ年が離れているから、一緒にプレーすることもなかった。大学の試合で関学大と兄ちゃんの近大が対戦するときも、僕はスタンドから見ていただけで、同じグラウンドに立った記憶はほとんどない。
僕も兄ちゃんがプレーするNPBに行きたいけど、兄ちゃんは多分もう一個先(MLB)を見ているんだよね? 手が届かない存在になってしまって、今はもう一ファンのように見ているけど、自慢の兄として応援している。この先には日本一への戦いもある。頑張ってね。
■佐藤 太紀(さとう・たいき) 2000(平成12)年4月15日生まれ、25歳。兵庫県・西宮市出身。甲東小1年時に甲東ブルーサンダースで野球を始め、6年時にオリックスJr.に選出。甲陵中では西宮フェニックスでプレー。関西学院高では通算12本塁打。関学大、BC福島を経て、今季から堺シュライクスに所属。187センチ、100キロ。右投げ右打ち。
★バース氏「ファンは常勝阪神に慣れてきたんじゃない?」
1985年、86年に三冠王に輝いたランディ・バース氏(71)は今季の佐藤輝について「本塁打と打点はもう十分にある。自分の打てる球を待ち、広角に打ち分けること。そして、ボール球を追いかけないこと」と、さらなる活躍に向けてアドバイス。阪神のリーグ優勝については「ファンは常勝阪神に慣れてきたんじゃない? 素晴らしい」と喜んだ。