米国による「ICE」の冬季五輪派遣にイタリア国内からは強い拒否反応…しかし当局は「移民取締りは行なわれない」「通常の協力関係」と強調!(THE DIGEST)

 アメリカ合衆国移民・関税執行局「ICE」がこの数週間で2人の市民を射殺したことは世界中に大きな衝撃を与えているが、来るミラノ・コルティナダンペッツォ冬季五輪にこの組織の職員が派遣されるとのニュースがもたらされると、イタリアでは議会から市民レベルにまで大きな怒りを引き起こした。 【画像】日本が世界に誇るスキージャンパー、高梨沙羅の厳選&変遷ショットを一挙お届け!  同国の下院議員であるルアナ・ザネッラ氏は、ローマの日刊紙『Il Fatto Quotidiano』で「領土主権が失われるのではないかという恐れ」を指摘し、ICEを「この武装組織は暴力的、さらには残忍と批判されている」と非難するとともに、「我が国の治安部隊では五輪の警備を十分に担えないと世界的に考えられているのは驚きだ」と、自国への皮肉も込めている。    またミラノのジュゼッペ・サーラ市長は、ラジオ局「RTL102.5」の取材で、「ミネアポリスで最近起きた事件に関与した職員と結び付けられる警備要員は、同市では歓迎されない」と主張し、「彼らの(イタリアでの)配備は、民主主義の基準や地域の主権に関わる問題を引き起こす」と警告。そして「ICEの支援なしでも、イタリア当局は大会の警備を十分に管理できる」と訴えた。  こうした喧噪の中、イタリア内務省で行なわれたマッテオ・ピアンテドージ内相と、米国大使ティルマン・J・フェルティッタ氏との会談で、「ICEが米国の選手および代表団の保護に限って、イタリア当局と協力し、治安維持に関するいかなる機能も担わないこと、大会の警備は全面的にイタリアの責任の下で行なわれ、米国の捜査官が屋外での業務、巡回、警護活動を行なうことは認められない」という取り決めがなされたことを、スポーツ紙『La Gazzetta dello Sport』紙が報じている。  同メディアによれば、ICEの捜査部門である「HSI(国土安全保障捜査局)」の活動の場は、ミラノの米国総領事館内に設置されるオペレーションルーム内部になるという。すでにローマの米国大使館内に連絡事務所を置いているHSIは、米国国務省の外交保安局と連携し、国際的な犯罪組織による潜在的脅威に関するリスク評価において、情報面および分析面での支援を提供。外国領土において移民取締りの作戦が行なわれることはなく、全ての警備活動は、イタリア当局の権限下に置かれることが、ICEからも強調されている。  それでも、「こうした説明がなされたにもかかわらず、ICEの存在はイタリア国内で強い政治的議論を引き起こしている。野党は正式な説明を求めており、政府は2月4日に下院議会で説明する予定である」と、同メディアは伝えている。  記事では、アントニオ・タヤーニ外相の「国際的な大規模イベントでは通常の協力関係だ。SSが来るわけではないし、治安維持のために武装した人員が来るわけでもない。彼らは決定権を持たない少数の職員にすぎない」との、事態鎮静化のためのコメントを紹介されているが、市民レベルの動きでは、ICEの関与を五輪から排除するよう求めるためのオンライン署名が1万5000人を超えているという。  前出のサーラ・ミラノ市長が「ICEの存在は、五輪が持つ普遍的なメッセージを損なう恐れがある」と警告したことも伝え、さらに「中道左派からは、極めてデリケートな問題に対して、その場しのぎの対応をしているとの批判が、政府に寄せられている」とも綴っており、問題は「対ICE」「対米国」だけでなく、イタリア国内の論争も活発化しているようだ。 構成●THE DIGEST編集部

THE DIGEST
*******
****************************************************************************
*******
****************************************************************************

関連記事: