米海軍、フォード級空母を第二次大戦デザインに変更することを検討中
ワシントン・ポスト紙やヒル紙は「トランプ大統領の希望はフォード級空母のデザインを第二次世界大戦中の空母に似せることで、飛行甲板上の艦橋を艦の中央部分に移動させることだった。海軍はトランプ大統領の美的感覚に一致させるためフォード級空母の大幅な設計変更を検討している」と報じた。
参考:Navy weighs major warship redesign to match Trump’s preferences 参考:Navy considers major aircraft carrier revamp to better suit Trump’s aesthetic 参考:Why The Ford Class Carrier’s Island Superstructure Is Located So Far Back
トランプ大統領は海軍の艦艇について何度も「現在建造中の艦艇は酷い見た目だ」と言及し、昨年12月にトランプ級戦艦建造を発表した際も「私は非常に美的センスが優れている人間だ」「そのためトランプ級戦艦のデザインに関与するつもりだ」と述べ、当時のフェラン海軍長官も「トランプ級戦艦は最高に見栄えがいいものになるだろう」と持ち上げていたが、どうやら海軍はトランプ大統領のご機嫌をとるためにジェラルド・R・フォード級空母の設計を大幅にやり直すことを検討しているらしい。
出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist Seaman Apprentice Alyssa Joy
トランプ大統領は昨年10月、横須賀に停泊している空母ジョージ・ワシントンの将兵に「馬鹿げたシステムに何十億ドルも費やしている。問題はシステムが壊れたら飛行機でMITを派遣しないといけないことだ。蒸気式はハンマーとバーナーで修理できる。だから元に戻すんだ。私は本気で大統領令を出すつもりだ。こんな事を続けさせるわけにはいかない。空母のシステムを蒸気式と油圧式に戻すんだ」と述べ、トランプ大統領は13日に米海軍と米造船産業基盤を再建するための国家安全保障大統領覚書に署名し、電磁式カタパルトおよび電磁式エレベーターを従来の蒸気式および油圧式システムに戻せと命令した。
さらにワシントン・ポスト紙やヒル紙は「トランプ大統領の希望はフォード級空母のデザインを第二次世界大戦中の空母に似せることで、飛行甲板上の艦橋=アイランドを艦の中央部分に移動させることだった。これは1期目の時にも検討されたが、艦橋の移動には数十億ドルもの費用がかかり、フォード級空母の建造が大幅に遅れる可能性があると判明していたが、海軍はトランプ大統領の美的感覚に一致させるためフォード級空母の大幅な設計変更を検討している」と報じ、TWZは「アイランドの配置は利用可能な飛行甲板を最大化するよう設計されており、このデザインはフランスや中国の次世代空母にも引き継がれている」と指摘している。
出典:Official U.S. Navy photo
アイランドの位置に関する賛否は置いておくにしても、電磁式カタパルトを蒸気式に、電磁式エレベーターを油圧式に、アイランドの位置を艦の中央部分に移動させるには莫大な費用と複雑な作業が必要になり、特にアイランドには艦の主要センサーやシステムが集中しているため、これを艦の中央部分に移動させると全てのセンサーやシステムが設計通りに機能するかどうか確認しなければならず、その試験は膨大な追加作業を発生させるだろう。
トランプ政権の任期が切れる2029年1月までにトランプ級戦艦の建造もフォード級空母の再設計も終わらないため、この実現は次期政権に持ち越されて方針転換=従来方針への回帰も十分ありえる話だが、トランプ大統領に振り回されて海軍が失った時間と資金は戻ってこない。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo