「米国は我々を守るか」 核戦略を大転換 フランスの疑念と決断

 欧州の核抑止戦略は、日本と同様に米国に大きく依存している。だが一方で、仏英両国は独自に核兵器を保有する。

 フランスは冷戦後、核戦力の近代化を進めながらも核弾頭数を削減してきた。2008年には当時のサルコジ大統領が核弾頭数を300発未満にすると発表。現在は冷戦期の約540発から約290発まで減っている。

 マクロン氏はこの方針の大転換に踏み切った。核弾頭数は増強し、「戦略的曖昧性」を確保するために今後は保有数を明らかにしない意向を表明。自国の「核の傘」を欧州の同盟国に広げる「先進的抑止」の新構想を提示し、「次の50年は核兵器の時代になるだろう」と指摘した。

揺らぐ米抑止力の「意思」

 マクロン氏が強調したのが「ここ数年が数十年に匹敵する」ほどの急速な安全保障環境の変化だ。

 欧州にとっての最大の脅威であるロシアは22年2月、ウクライナへ本格侵攻し、核兵器の使用をちらつかせている。米露間で唯一残されていた核軍縮の枠組み「新戦略兵器削減条約」(新START)は今年2月に失効した。中国は核戦力を増強し続けている。

 そして、何よりも大きな影響を与えているのが、第2次トランプ米政権発足(25年1月)による欧米関係の結束の乱れだ。

 米、カナダや…

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