30GB月2178円なのに5カ月で解約 格安SIMを渡り歩いた51歳男性が「安さだけでは選べない」と感じた理由【コラム】
「格安SIMは、とにかく安いのが正解」そう思っている方も多いのではないでしょうか。ソフトバンクから楽天モバイル、UQモバイル、ahamo、日本通信SIM、そして現在のmineoへ。大手キャリアも含めると8社を渡り歩いてきたという、51歳・会社員のぽぽさんは、月額2,178円で30GBという当時「安さNo.1」クラスだった日本通信SIMを、わずか5ヶ月で解約しています。同じ料金プランの中でも際立って安かったはずなのに、なぜ手放すことになったのでしょうか。※本コラムは、格安SIMを5回乗り換えた男性へのインタビュー記事をもとに作成しています。■同じ「格安SIM」でも、電波はまったくの別物だったぽぽさんが乗り換えを重ねる中で痛感したのが、「同じ格安SIMでも、借りている回線が違えばまったくの別物」という事実です。最初に選んだ楽天モバイルは、勤務先の会社でほとんど電波が入らなかったといいます。そこでau回線を使うUQモバイルに変えたところ、同じ会社の中でも問題なく使えるようになりました。多くの格安SIMは、ドコモ・au・ソフトバンク・楽天といった大手キャリアの回線を借りて提供されており、同じ「格安SIM」という括りでも、どの回線を借りているかによって電波の入り方はまったく異なります。「都会での評判は当てにならない。自分が長くいる場所で試さないと分からない」。ぽぽさんはそう振り返ります。職場が田舎にあったこともあり、平均的な速度ランキングよりも、自分の生活圏で実際につながるかどうかが重要だったといいます。格安SIMの会社によっては、契約時に複数の回線から選べる場合もあります。回線の種類まで意識して選ぶかどうかで、使い心地は大きく変わってくるようです。■なぜ「安さNo.1」の日本通信SIMを手放したのかその後、ahamoを経て選んだのが日本通信SIMでした。「ahamoより安くて容量が多い」というのが決め手で、30GB・2,178円という価格は、ahamoの20GB・2,970円より明らかにお得に見えたといいます。「ギガも多くて安い、これはいいと飛びついた」とぽぽさんは話します。しかし、実際に使ってみると、高速・低速の切り替え機能がないことがネックになりました。通勤中の車でYouTubeを音だけ聞き流していると、すぐにギガが足りなくなってしまう。自分の使い方には、この切り替え機能が欠かせないものでした。振り返れば、その前に使っていたahamoも同じ理由で合わなかったといいます。安さや容量という分かりやすい条件だけを見て、切り替え機能という自分にとって重要なポイントを見落としてしまったことが、2度続けて同じ失敗につながったようです。結果として、日本通信SIMは5社の中でもっとも短い、5ヶ月で解約することになりました。初期手数料として3,300円を払っていたにもかかわらずの解約という結果でした。「安さだけで選んだので、長く使えなかったんだと思います」とぽぽさんは振り返ります。■月700円高いmineoに、2年以上満足している理由現在利用しているmineoは、日本通信SIMより月700円ほど高い料金設定です。それでも乗り換えたのは、安さではなく使い勝手のためでした。mineoには「パケット放題(3Mbps)」という機能があり、低速のままでも動画が問題なく見られます。UQモバイルの節約モードより格段に速く、「もうギガを気にしていません」とぽぽさんは満足げに話します。さらに、使わなかったデータを翌月へ繰り越せる点も、ぽぽさんの使い方に合っていたといいます。2024年5月に契約してから、すでに2年以上。「替える理由が見当たらない」というほど、今のプランに落ち着いています。安さで選んだ日本通信SIMがわずか5ヶ月だったことを思えば、月700円という差額以上に、使い勝手が生活の満足度を左右していたことがよく分かります。同じ30GB前後のプランでも、低速時にどこまで快適に使えるかという一点が、長く使い続けられるかどうかの分かれ目になっていたようです。なお、妻はいまもahamoを使い続けているといいます。データをあまり使わず、ドコモ回線に満足しているとのこと。ぽぽさんに合わなかったahamoが、妻には合っている。合う・合わないは人それぞれで、家族で同じ会社に揃える必要はない、というのも実体験から得た気づきの一つでした。独立した息子もまた別の格安SIMを選んでいるそうで、一つの家庭の中でも、正解は一つではないことがうかがえます。■まとめ|格安SIMは「安さ」ではなく「生活圏と使い方」で選ぶ5回の乗り換えを経て、ぽぽさんがたどり着いた結論はシンプルでした。料金の安さだけで飛びつくのではなく、自分が一日でいちばん長くいる場所でその回線が入るかどうか、そして高速・低速の切り替えやデータ繰り越しといった、自分の使い方に必要な機能があるかどうかを見極めること。この2点が、失敗しない格安SIM選びの分かれ目になっていました。「安いから」という理由だけで選ぶと、日本通信SIMのように、わずか数ヶ月で見直すことになるかもしれません。もちろん、乗り換え自体には手続きの手間もかかります。ぽぽさんも「1回で半日はかかる」と話しており、決して身軽な作業ではありません。だからこそ、最初の1枚を選ぶ時点で、回線と使い方の相性を見極めておくことが、結果的に手間を減らすことにもつながりそうです。これから格安SIMを選ぶ、あるいは見直しを考えている方は、料金表だけでなく、回線の種類や切り替え機能、データ繰り越しの有無まで含めて比較してみてください。自分にぴったりの一枚を探したい方は、格安SIMおすすめ比較ランキングもあわせて参考にしてみてください。 × × ×
【執筆者プロフィール】大福裕貴氏。株式会社ゼロアクセル代表取締役。Webマーケティングに従事し、webメディアを複数運営とサイトM&Aを経験。