DX担当「また同じ質問か……」 デンソー「人が頑張る」をやめた、AIが回す「ナレッジ循環」の仕組み


Page 2

 転換を図るためのキーワードとして、大山洋司氏(パワトレインDX推進室 課長)が掲げたのは「見つかる」「適材適所」「回る」「育つ」の4つ。 「見つかる」は、データやナレッジを自然言語で検索し、ユーザー自身が答えにたどり着けるようにすることだ。 「適材適所」は、相談内容から必要なスキルをAIが分析し、担当者の現在のスキルや育成目標を踏まえて候補者を提示すること。実際に候補者に任せるかどうかは、最終的に人が判断する。「AIは推薦まで。決めるのは人です」(大山氏) 3つ目の「回る」では、案件の進捗や停滞している箇所を把握し、AIが支援策を提示する。管理者が担当者に何度も進捗を確かめる負担を減らし、情報の把握から判断や支援へと時間を振り向けられるようにする。 4つ目の「育つ」は、案件が完了すると、対応内容ややり取りをもとにAIがナレッジのひな型を生成する。担当者はゼロから文章を書くのではなく、生成された内容を確認・修正し、承認して公開する。 「ナレッジを残しましょうとルールで決めても残らない。書く気がないからではなく、書く時間がないから。だから私たちはこれを、やる気の問題ではなく、時間と設計の問題として扱うことにしました」(大山氏)

 AIが作った内容をそのまま公開するのではなく、人が確認して承認したものだけを組織のナレッジとして蓄積するようにした。

関連記事: